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この世界の裏側で誰かが何かをしている〜最強のモブと自重出来ない美少女双子妹〜  作者: 涼月 風
第三章

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第56話 打ち上げ




 出来れば、こんな事はしたく無かった。

 だが、やらねばならぬ。

 これが、俺の任務だ……


 文化祭の打ち上げという名目で、文化祭が終わった次の週の土曜日にみんなが茜叔母さんのマンションに集まって打ち上げをしている。


 因みに、茜叔母さんには言ってはあるが、彼女は今海外に出張中である。


「お兄、ジュースなくなっちゃったよ」

「冷蔵庫に入ってる。持ってってくれ」


「兄様、お菓子が足りないようです」

「戸棚の中に入ってるはずだ。持ってってくれ」


 俺は、ホスト役としてみんなの世話に明け暮れている。

 それだけなら、良いのだが、ここに集まったメンバー達の件で俺は頭を悩ませていた。


 柚木 麗華(庚家当主の姪っ子で絵里香の従姉妹)

 庚 絵里香 (庚家当主の一人娘)

 結城 莉愛夢(庚 絵里香の友人で同じ剣道部)

 壬 静葉(壬家当主の孫娘)

 清崎 流(壬家に仕えるスーツ姿の仕事のできる女性)

 戊 シャルロット・リズ(戊家当主の娘で魔術士の血を引くフランス人の母とのハーフ)

 水沢 清香(クラスメイトだが、霞の者の気配察知をすり抜ける謎の少女)

 田辺 由香里(クラスメイトで水沢の友人の眼鏡っ娘)

 木下 沙織(クラスメイトで水沢の友人のちびっ子JK)

 相崎 佳奈恵(クラスメイトで水沢の友人でぽっちゃり体型の彼氏持ち)

 飯塚 早苗(クラスメイトで薬や売春に手を染めてたJK)

 足利 恵(陽奈と瑠奈の友人で家がパン屋さん)


 俺以外、全員が女子なのだ!!


 辛 誠治さんは、瑠奈が捕まえた「紅の者」青蜥蜴の件で忙しそうだし、麗華さんの兄である優作さんは、研究発表を控えており出席するのは難しいと言われた。


 せめて、セバスさんでもいてくれたならなぁ……


「セバスがどうかいたしまして? 」

「あ、いえ。今日はどうして来れなかったのかなぁ、なんて考えてました」

「セバスは、今日は忙しいのです。私の用事ばかりに付き合わせる事など出来ませんわ」


 忙しいのか、セバスさん……


「お兄、やはりジュースが足りない」


 さっき持っていったのは、もう無くなったのか……


「わかった。少し買い出しに行ってくるよ」

「私も行こうか? 」

「大丈夫だ。俺一人で十分。じゃあ! 」


 俺は、さっさと家を出て行く。

 この開放感、なんとも言えない……


 俺は、少しでも時間を稼ぐ為、何時ものスーパーではなく少し遠くにある野菜の安いスーパーまで足を延ばす。


 だって、男一人であの場所にいるのは辛い……


 俺は、ジュースとお菓子、それと腹の足しになるようなお惣菜やパンなどを買って行く。


「そうだ、牛乳も買わないと……」


 牛乳のパックを掴もうとしたら、他の人と手がぶつかってしまった。


「あ、すみません」


 速攻で謝る。

 これが、トラブルにならない秘訣だ。

 だが、今回は事情が違った……。


「あ、おねえちゃんの彼氏だ」

「えっ、確か桜ちゃんだっけ? 」


 よく見れば、財布を拾ってあげた子だ。


「彼氏じゃないよ。ただの通行人だからね」

「そうなの? つまんないなぁ~~」


「今日は一人で買い物なの? 」

「うん、おねえちゃんは、仕事で忙しいし他の子達も遊びに行っちゃったから」

「そうなんだ。桜ちゃんは偉いね」


 俺は、桜ちゃんの買い物を手伝いながら勉強の話になった。

 内容は、おねえちゃんと同じ中高一貫に行きたいが私立なのでお金の問題で家族に言えないそうだ。

 それに、勉強も家の事とかあるから中々出来ないという事だった。


 今時の小学生もいろいろ大変らしい……


 協力できるのは俺が勉強ぐらいだが、男が勉強を教えるとなるといろいろ問題が起きそうだ。


「桜ちゃん、良かったら家に来るか? 勉強を見てもらえそうな女子達が集まってるから」


「いいの? お兄さん家に行ってみたい」


「じゃあ、このまま行こうか? 」


 というか事で桜ちゃんと一緒に家に向かっていたのだが……




 何故か俺と桜ちゃんは交番にいて、目の前の警察官から取り調べを受けている。


「本当に君達は知り合いなのかね? 」


「はい、そうです」

「お兄ちゃんは、財布を届けてくれたんだよ。その時にお友達になったの」


「確かに届けは出ているね。でも、普通は交番に持って来ないか? 直接、手渡しなんて何か良からぬ事を考えてたのではないかね? 」


 詰め寄る警察官。

 何を言っても疑ってくる警察官に面倒くさくなった俺。

 今にも泣きそうな桜ちゃん。


「なぁ、お兄さん。里のおっかさんが今のお兄さんの姿を見たらどう思うかなあ?」


「はい!? 」


 突然、変な事を言い出す警察官。

 理解できない俺。


「お兄さんは悪くないです。私が荷物を持つ手を変えようとしたら誤って防犯ブザーのボタンを押しちゃっただけなんです」


「お嬢ちゃん、そう言えと言われたんだよなぁ。脅されたのか、可哀想に」


「違いますってばーー! 」


 警察官から見ると、俺は小学六年生の女子を野獣のように舐め回すロリコン犯罪者に見えるようだ」


 聞く耳持たない警察官のいる交番に駆けつけてきた女性がいた。


「桜! 大丈夫! 変態ロリコン男に連れ去られそうになったんだってーー! 」


 桜の姉の連城 萌だ。


「おねえちゃん」


「誰よ!! その変態ロリコン男は! 」


 俺と目が合う連城 萌。

 お互い開いた口が塞がらない。


「ま、ま、ま、まさか、霞 景樹! あんた、ロリコンだったの? 」


「いいえ、全く違います」


「妹に手を出すなんてーー! 」


 大きな声で怒鳴り、暴れる連城 萌を抑えつける警察官。

 それを静観する俺。

 驚いて目を丸くする桜ちゃん。


 そこに新たな女性が現れた。


「ぷふっ、景樹君、捕まったんだって? 」


 可笑しそうに笑う麗華さん。

 また、“ 誰か乱入してきたよ ” と呆れる俺。


 そして、暴れる連城 萌と目が合う麗華さん。


「あれ、萌ちゃん? 」

「麗華姉様? 」


 麗華さんを見て落ち着いた連城 萌は、桜ちゃんの隣に大人しく座った。

 二人に事情を説明した後、麗華さんは、警察官とゴショゴショと内緒話をしている。


 すると、警察官は『ビシッ』と敬礼し出した。


「お疲れ様でした。今日はもう帰っても構いません! 」


 さっきまでとは180度態度の違う警察官は、俺達に向かって気持ち悪い程の笑顔を向けていた。





 俺の家、正確には茜叔母さんのマンションにまた、二人の女性が増えた。

 連城 萌 と桜ちゃんだ。

 二人は、みんなに囲まれて『可愛い』とか『綺麗』とか言われて嬉しそうにジュースを飲んでいる。


 ここで、俺は気付いてしまった。

 何と、連城 萌は思い出したくもないあのストーカー・アイドルだったって事を……


(みんな知ってるって? そうですよね~~)


「兄様、兄様は何故、どこかに出かけると新しい女を作ってくるのですか? きちんと説明して下さい」


 そんなの俺が聞きたいわ!


 俺に詰め寄る瑠奈を何とか宥めた。

 おかげで甘栗を買うことになったが……


 連城 姉妹は、みんなに質問責めにあっている。

 そんな中で、桜ちゃんが俺に話した事を喋り出した。

 そう、学校の件である。


「桜、何で言わなかったの? 」

「だって、うちお金が無いもの……」


 打って変わって静まり返る空気。

 そんな中で麗華さんが、


「じゃあ、蒼山川学園に来れば? あそこの学校は私の母方の叔母さんが理事長だし融通がきくわよ」


 麗華さんお叔母さんが理事長だったのか……


「そうなの? 行きたい」

「じゃあ、決まりね。そうだ。ついでに萌ちゃんも転校する? 姉妹一緒の方がいいでしょう? 」


「えっ、そんな事できるんですか? あそこは私が通ってる学校より偏差値が随分高いですよ」


「平気よ。何たって私が次期理事長候補だし」


「「「えっーーーーっ!!」」」


「叔母さんとこに子供がいないのよ。私に継いでほしいって言われてたのだけど、まだ、学生だし保留にしてたのよね。お金の件は、気にしなくていいわよ。就学支援金制度も始まるし、いろいろ方法があるから」


「本当? やったーー! 」


「桜ちゃん、でも、勉強はしないとダメよ。家庭教師ならここにいる子達が暇な時に手伝ってくれると思うわよ。そうよね、みんな? 」


「「「もちろん!! 」」」


 勝手に話が決まってしまった。

 でも、桜ちゃんの悩みが解決してよかった、よかった……


 だが、俺は忘れていた。

 ストーカー・アイドルこと、連城 萌も転校してくるという事に……





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