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この世界の裏側で誰かが何かをしている〜最強のモブと自重出来ない美少女双子妹〜  作者: 涼月 風
第二章

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第26話 学園生活(居残り)




 休み時間も昼休みもレポートを書けなかった俺は、午後の授業中に書こうと思ったが、体育の授業と移動教室の為、レポートを書くことが出来なかった。


 仕方なく、放課後教室に残ってレポートを書いていると、俺と同じく教室に残ってレポートを書いている飯塚 早苗がいた。


 ふと、彼女と目があった。


 しかし、直ぐに視線を逸らされレポートを書いている。


 俺も、何も言わずにレポートを書く作業に取り掛かる。


「やったーー終わったぞ」


 飯塚 早苗も終わったようで、また、目が合ってしまった。

 教室には2人だけだ。


 L*NEの通知には、瑠奈や陽奈から、先帰っていると連絡が入っている。


 返事を返して机の上に散らかっている文房具をしまい、バッグを抱えて職員室に向かった。


 篠崎先生は直ぐに見つかった。

 俺は、レポートを提出すると、その後にすかさず飯塚 早苗も提出する。


「あ、そうだ。霞君と飯塚さん、ちょっといい? ここにある教材を学習準備室に運んで置いてくれると助かるんだけど」


 先生のデスクの脇には棒状の資料と段ボールに入っている裏が磁石になっている教材が入っていた。


「学習準備室ですか? いいですけど、俺、場所知りませんよ」


「それなら、飯塚さんが知ってるわ。じゃあお願いね~~」


 俺は重そうなダンボールを持って、筒状の資料を持っている飯塚の後をついて行く。

 職員室から学習準備室までは、結構な距離がある。


 まず3階まで階段で上がり、三年生の教室を通らずに渡り廊下に出て別棟の特別教室があるところまで行かないといけない。


 俺にとっては、こんな荷物重くも何ともないが、飯塚には重そうに見えたのだろう。

 歩みを遅らせゆっくり歩いていた。


 気が効く子なんだな……


 そんな事を考えながら、お互い一言も喋らずただ荷物を持って階段を登る。

 すると、廊下の窓が開いていたのか、風が入り込んで飯塚の短いスカートをふわりと巻き上げた。


 後からついてきた俺は、その中身をバッチし確認してしまった。


「キャッ! 」


 短い悲鳴をあげて、両手で抱えていた荷物を片手に持ち替えて空いた手でスカートを押さえるが、今更遅い。


 飯塚は俺を睨んで


「見たでしょう? 」


「見ました」


「見るんじゃねぇ! 変態! 」


 目の前の物を見るなと言われても……


 顔を赤くして、怒り顔で俺に先に行けと無言で命令する飯塚は、瑠奈や陽奈とは違い紫色の大人の下着を着けていた。


 気不味い状態で、学習準備室の部屋にたどり着いた俺達は、先生から預かってきた鍵を開け中に入る。


 こもった空気が襲いかかったが、ドアを開けておき、荷物を棚にしまう。


 その時、飯塚は、


「結城 莉愛夢と仲がいいの? 」


 と聞いてきた。


 この間の屋上の件を言っているのだろう。


「仲が良いわけではありません。屋上の時は、結城さんは壬さんの案内役を先生から頼まれていたようで、ついでに俺がそこにいただけですから」


「ふ~~ん、そうなんだ。その……なんか私の事言ってた? 」


「同じ元菜園部だと言ってましたが、それ以上のことは何も言ってませんでしたよ。その時の結城さんの雰囲気で2人に何かあったみたいなのはわかりましたが」


 すると踵を返して俺の顔をジロジロ見出した。


「ふ~~ん、霞だっけ。あんた、わざとその髪とメガネで顔を隠しているんでしょう? 」


 雰囲気が変わったぞ。

 それに何でバレた?

 こいつ、()()持ちか?


「言ってる意味がわかりませんが? 」


「別にたいした意味はないよ」


 その時、飯塚が棚にしまった筒状の資料が転がって飯塚にあたり、飯塚はバランスを崩して転がり、俺に乗りかかるような体勢になってしまった。


 俺は仰向けになって、飯塚はその上から俺を見下ろすような体勢だ。

 飯塚は、何を思ったのか俺のかけてたメガネを外し、俺の素顔をあらわにさせた。


「やはり、いい顔してるじゃん。あんな美少女な妹さん達がいるんだ。あんたの顔が悪いはずないよな」


 俺は飯塚の手に握られていたメガネを奪い、掛け直す。


「何でわざわざ顔を隠すんだ? 」


「君には関係ないだろう? 」


「時期外れの転校生、しかもイケメンなのに顔を隠すように生活を送ってる。何か理由があるんだろう? 知りたいと思うのは仕方ないと思うけど? 」


「俺に関わるな」


 そう言う俺を見下ろしながら顔を近ずけてきた。


「何、偉そうに言ってるわけ? 男なんてただ、やりたいだけでしょう? こんな状況でドキドキしないわけないもんね。本当は手を出したくてウズウズしてるんでしょう? 」


 悪ぶりながら、そう俺を罵る飯塚 早苗はどこか淋しそうだった。


「悪女を演じたいなら他で勝手にやればいい。だが、飯塚 早苗。お前には似合わない」


「なっ! 何を偉そうに、この童貞! 」


「確かに俺は童貞だ。それが誰かに迷惑をかけたのか? 俺には、そんな事よりやらねばならない事がある。そろそろ、そこからどいてくれないか? 」


「ふんっ! あ~~あ、バカみたい。こんな童貞男と関わるのは私もごめんだわ」


 飯塚は、そう捨て台詞を残して、この部屋から出て行った。


「全く、何がしたかったんだ? 」


 俺は散らばった資料を片付けて鍵を先生のところに持って行き、帰宅した。


 あれ、何か忘れているような……

 まあ、そのうち思い出すだろう。





 その頃、体育館裏では、


「おい! あの霞って奴、こねぇじゃねぇか! 」


「すみません、荒木先輩」


「首に縄引っ掛けてでも連れてこい! 」


「わ、わかりましたーー」


 ヤンチャ君達は、健気に待っていたようだ。


 そんな様子を遠くから見ていた人物がいた。


「あんなガキでも使えるか……」


 その黒い影は、その場から消えて行った。





 家に帰ると、陽奈が出迎えてくれた。

 何故か俺の周りを回りながらクンクンと犬のように鼻を鳴らしている。


 犬かな?

 犬だよね……


「お兄、女の匂いがするよ」


 陽奈の言葉を聞きつけた瑠奈が奥から走って来た。

 後から麗華さんも付いて来る。


「陽奈、今、聞き捨てならない事を言いましたよね」


「うん、お兄から女の匂いがするんだよね~~」


「兄様、どう言う事でしょうか? 説明願います」


 女の匂い?

 あっ、飯塚 早苗の匂いか……


「電車の中で移ったんじゃないかな? 」


「違うよ。学校の匂いと混じってるから学校で何か接触があったんだよ。きっと」


 陽奈、お前は完全に犬だな……


「兄様、何があったのですか! 」


 後ろでは麗華さんが笑っている。


 笑う場面ではないと思うが……


 陽奈や瑠奈には隠し事ができない。

 隠しておけば、どんな手でも使って真相を確かめるだろう。

 俺は、仕方なく正直に話した。


「う、迂闊でした。兄様を狙う女子がいたなんて。飯塚 早苗ですね」


 そう言いながら、自分の部屋にこもってしまった。


「景樹君、何か大変そうだね」


 麗華さんは、面白がって笑っている。


「学校は大丈夫だったんですか? 」


「 もう、授業は出てきたわよ。私、優秀だから」


 確かに優秀そうだ。

 一を聞いて十を知るタイプだよな。


「今夜は、アレの討伐に行くんでしょう? 私も同行させてよ」


「構いませんが、出来れば陽奈と一緒にいてあげてください。2組に別れた方が効率が良いですから」


「あれ? 瑠奈ちゃんは? 」


「ああなった瑠奈は、しばらく部屋から出てきませんから」


「じゃあ、軽く何か食べようか? ピザでもとる? 」


 麗華さんはピザの宅配の事を言ってるのだろう。


 すると陽奈は、


「やったーー! ピザが注文して自分のお家で食べれるなんて幸せ。都会って便利だね」


 確かに、里では山で鹿やら猪を狩って来ないと食べれない。

 もちろん、ピザなんて気の利いたものなど無い。


 陽奈の食欲に合わせて、麗華さんはピザ屋に電話している。

 計算では、これだけで5000円近くなってしまった。


 都会ではお金がないと何もできないようだ。





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