帰り道
初投稿です。よろしくお願いいたします。
「あっ、終わりのチャイムだ」
公園内に鳴り響く夕方5時の鐘。
みんな、それぞれにいう。
「じゃあ、オレ帰るわ」
「あっ、オレも」
「おい、まだ鬼ごっこ途中だろ」
「また、明日遊ぼうぜ」
「ちぇ、わかった」
名残惜しさと明日への楽しみと晩ご飯の期待を胸に帰っていく。
僕も帰ろう、お家に帰ろう。
滑り台にブランコ、砂場に水飲み場、知り尽くした公園を後にする。
あれ、こんなところに自転車進入禁止柵なんてあったかな。
まあ、いいや。
ひとり帰り道。見知った道、ここを回れば家だ。
回った先には行き止まり。
道を間違えた。
もう僕には帰る家なんかなかった。
そこには呆然と立ち尽くす浮浪者がひとり。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!