白ハゲ漫画は世界を救うのか
――――― 1ページ目 ―――――
一ッ橋「白ハゲ漫画の問題点について考えたんだけど…。」
二ッ橋「白ハゲ?」
一ッ橋「SNSで投稿されてる、主に自分の実体験や考えを綴った全4ページ完結の漫画だよ。登場人物に簡単な丸で描いた、まるでハゲ頭のキャラを使っているので『白ハゲ漫画』と揶揄されているんだ。」
一ッ橋「勿論、SNS上で発生した言葉だから、微妙に解釈の違いはあるかもしれないけれど、ここではそう定義しているよ。」
二ッ橋「キタ!メタ発言!」
一ッ橋「気がはやいね。」
――――― 2ページ目 ―――――
一ッ橋「白ハゲ漫画はよく、アンチから、『自分語りきめぇ』とか、『それ、漫画にしなきゃダメですか?』とか言われているよね。」
二ッ橋「辛辣ですね…。」
一ッ橋「どうしてこうも熱狂的なアンチがいるのか…。」
二ッ橋「熱狂的なアンチ…。」
一ッ橋「それは、白ハゲ漫画は1通りの正義しか認めないからだ。」
二ッ橋「…なるほど。」
――――― 3ページ目 ―――――
一ッ橋「普段、目にする商業漫画の殆どは、はじめに世界があって、色々な考え方をしたキャラがいる。そこで事が起きて、物語が動き出す。」
一ッ橋「訴えたいことや、テーマはあれど、それを読者が判断する余地があるんだ。」
一ッ橋「一方の白ハゲ漫画は、主義があって、事を考え、キャラが出てくる。出てくるのは、正義と、正義の為に設えられた悪。『愛すべき敵キャラ』なんて存在しない。」
一ッ橋「嫌なら見るな、異論は求めん。いわば、ユビキタスゴーマニズム。」
二ッ橋「コアなジャンルの漫画が大量に溢れることにより、欲求の飽和状態を起こしているってことだね。」
一ッ橋「なるほど。」
――――― 4ページ目 ―――――
二ッ橋(白ハゲ漫画…。)
一ッ橋「押しつけがましくない白ハゲ漫画は、白ハゲ漫画なのか?という問題が発生するが―――」
二ッ橋(…。)
一ッ橋「私が思うに―――、これは―――」
二ッ橋(…。)
二ッ橋(今度読んでみよう。)