ステータスを確認しよう!2
前回
ヘルゼさんという方に会いました。
透明のウィンドウを上から順に目で追っていく。
名前 ユーキ・カミシロ
Lv.1
種族 吸血鬼
HP 5000
MP 4500
物理攻撃力 1100
魔法攻撃力 1000
俊敏力 1050
スキル:
火魔法Lv.1、水魔法Lv.1、土魔法Lv.1、闇魔法Lv.1、変身魔法Lv.1、治癒魔法Lv.1、飛行魔法Lv.1、魔法生成Lv.1、鑑定Lv.1、空間収納Lv.1
全異常耐性、物理攻撃耐性(小)、魔法攻撃耐性(小)
ユニークスキル 血の契約Lv.1 吸血Lv.1
パッシブスキル 継続再生回復Lv.1 獲得経験値2倍
どうやら名前は前世と同じらしい。
レベルは当然ながら1だ。
スキルにもレベルがあるらしく、全てLv.1だ。
火魔法、水魔法、土魔法、変身魔法、鑑定、空間収納?、治癒魔法に飛行魔法と結構便利そうな名前のスキルがある。
魔法生成なんてものもあるなぁ。
ユニークスキルや闇魔法についてはよく分からない。
ヘルゼさんに聞いてみよう。
パッシブスキルも分からないが、どんな効果なのかくらいは大体予想がつく。
小とは書いてあるが物理攻撃に対しても耐性があるようだ。
異常耐性も全部というのは大きいのかな?
戦い慣れしていない私には有り難い。
というか私、吸血鬼なの!?
種族の場所に書かれている「吸血鬼」の文字に一番驚く。
吸血鬼って、人の体内の血が無くなるまで吸って殺したり、にんにくや日光に弱かったり、心臓に杭を打つと死ぬやつだよね?
違和感がないわけではないが、てっきり自分は人族かと思っていた。
確かに人族なのに、赤ちゃんの姿で誕生しないのは可笑しい。
こんな生まれたばかりの奴がいたら、怖いよね。
それならヘルゼさんが「同族のようだしな」と言っていたり、顔が青白いのも頷ける。
ヘルゼさん、吸血鬼なんだ。
「あの、ヘルゼさん。闇魔法やユニークスキルって何ですか?」
早速ユーキは分からない所をヘルゼに尋ねる。
ヘルゼはユーキの問いに目を見開き、ユーキから5メートル程離れた自分の場所から、急に猛スピードでこちらに走って来て、がしっとユーキの肩を掴んできた。
「お主、闇魔法だけでなくユニークスキル持ちか!?」
「え、ええ。」
ユーキはヘルゼの急な行動に驚き、少し後退しながら返答する。
「…すまぬ。取り乱してしまったようだ。ちと、珍しかったのでな。」
我に返ったのか、掴んできた肩の手を離す。
「そんなに珍しいんですか?」
「うむ。闇魔法は、1万人に1人ほどしか持っておらぬし、ユニークスキルはお伽噺話にでてくる伝説の勇者か魔王くらいしかもっておらぬらしいからな。」
1万人に1人!?
ユニークスキルに関しては伝説の勇者か魔王だって!?
またとんでもないものを与えられてしまったようだ。
「ユニークスキルとは何かという話じゃったな。さっきも言ったように、ユニークスキルは伝説の勇者や魔王等がもつとされ、所有者のみが持つ固有のスキルじゃ。闇魔法は呪詛系の魔法じゃよ。」
闇魔法は、じゅ、呪詛系か
本当に魔女になった気分だ。
ユニークスキルや闇魔法について教授してもらった後、スキルの使い方まで教授してもらった。
スキルはステータスと違い、ただ唱えればいいだけでは無いらしく、全身に魔力を巡らせる感覚をイメージし、一箇所に集中させ、放つらしい。
一度試しに魔法を放とうと思ったが、これが、簡単そうにみえて結構難しい。
火魔法があったので、それを実践してみる。
どんな仕組みかは分からないが、魔法については頭からどんな魔法があるのか、教えてくれる。
シンプルそうな、火の球でいいか。
「火の球」
唱えると、プスッとう効果音がつきそうな、小さい火の球が出る。
威力に難はあるが、私にも魔法が使えた。
これが魔法か。
同時に何個も作ることも出来るらしいが、まずは魔力を自由に扱う事、魔力操作が出来るというのが、前提らしい。
ヘルゼさんは魔力操作が当然の如く出来るらしく、何個も火の球という魔法を作ってみせてくれた。
「お主、最初のうちは魔力を練るということだけを意識した方が無難じゃぞ。無理に魔力操作をしようとして、集中力を切らせば、誤爆するかもしれんからな。」
誤爆!?
溜まったもんじゃないな。
ユーキは慣れないうちは、ヘルゼの言う通り魔力を練るという事を意識しようと思うのだった。
こんなにもいろいろと教授してくれるなんて、本当に親切な方だ。
「本当にいろいろとありがとうございます。図々しいのを承知で、もう1つ尋ねてもいいしょうか?」
初めて会った相手に、ここまで丁寧に教授してくれた、ヘルゼさんには申し訳なさがあるが、当初の話し掛けようとした目的を尋ねようと試みる。
「今更、質問の1つや2つ等尋ねようが変わらん。」
ヘルゼは快く了承する。
「ここの近くに街や村ってあるでしょうか?」
「街や村?そうじゃな…。」
ヘルゼは自分の右手を顎に当て考える素振りをする。
「ここからなら、西に10km先の所に村があるぞ。西の方角はこっちじゃ。」
と、どこよりも高い山の方角を指差す。
あそこの方角に10km進めばいいのか。
「本当にいろいろとありがとうございます。いつかまた会った時、出来る範囲内で何か恩を返します。」
「いらぬ。気持ちだけ受け取っておこう。」
本当に素晴らしい方としか言いようが無い。
「あ、やはり、人間の街にある、けーきという物が食べたい。」
うん、素晴らしい方には変わりない。
「分かりました。ケーキですね」
ケーキもこの世界にあるのか。
今度会ったら沢山買おうと思うユーキだった。