我道ーガドウー
#創作版深夜の真剣文字書き60分一本勝負
お題【刀/彼岸花/我が道を行く】
お久しぶりの参加です。
そしてとても短いです。
彼岸花って美しいですよね。
pixiv:http://touch.pixiv.net/novel/show.php?id=7330798
お題【刀/彼岸花/我が道を行く】
戦いはまだまだ続く。斬った敵の数だけ花を植えた。死んだ仲間の数だけ花を植えた。
その花は彼岸に咲く花として後に「彼岸花」と呼ばれるようになった。
「あぁ、今年も赤く染まっている」
男の名前は、我道。拾ってもらった男に名付けられた名前。
「お前は、お前の信じた道を行くんだ」
「俺の?」
「そうだ」
「例え、何人もの仲間が死んでも、お前は立ち止まっては行けない」
「分かった」
彼岸花畑の中心で、そんな昔話を思い出していた。
革命軍と政府軍。この戦いが始まってからもう50年以上経っている。何が正しいのか我道には分からなかった。ただ自分を拾い、育ててくれた人のために、そして仲間のためにも戦っている。
最初はそれだけで戦っていた。仲間が死ねば悲しみ、泣いた。敵の事なんか、どうでも良かった。
けれど、敵にも大切な人がいると知ってから、どうしていいか分からなくなった。
『殺す』か『殺される』か。
ーー「お前は、お前の信じた道を行くんだ」
その言葉を思い出してから、自分の信じる道を、信じたことを貫き通す。この戦いが終わるまで戦う。
「俺は戦う。俺が行くまで、咲いてろ」
遠くから仲間が呼びに来た。
ーーさぁ、行こう。俺の道はもう真っ赤に染まっている。何も臆する事はない。ーー我道は刀を持ち直すと、散っていく花を見つめる。




