螺旋階段
#創作版深夜の真剣文字書き60分一本勝負
お題【猫/古城/ファンタジー】
全てが入ってるつもりです。(ファンタジーはちょっと無理があるかな?)
螺旋階段というものを駆け上がっていってみたいものです。
pixiv:http://touch.pixiv.net/novel/show.php?id=7137703
お題【猫/古城/ファンタジー】
身につけている鎧同士がぶつかり、音が鳴る。女騎士、リドリーが上に続く螺旋階段を登り続ける。
天高く伸びる古城。そこには時の狭間に取り残された姫がいる。それを助けるのがリドリーの使命だった。
「リドリー! あと少しよ!」
「分かってるわ!」
リドリーを先導するように白猫で目がライトグリーンのフィビーが声をかける。
鎧の重さにはもう慣れたはずだった。なのに、このどこまでも続く螺旋階段を登るのに、鎧は邪魔だった。ーーリドリーは息を切らしながら、走り続ける。
すると、目の前に黒く禍々しい光が地面に現れた。そこから魔物が姿を表した。
「くそ! ここにも現れたか」
「リドリー!」
「下がってなさい!」
リドリーは剣を抜き、魔物に斬りかかる。
「フィビー、行くわよ!」
「ええ!」
どんどん現れる魔物を斬り倒していくと、急いで階段を駆け上がる。
一番上にたどり着くと、目の前には古びた扉が立ちはだかった。
「ここが……」
「さぁ、中へ」
「ええ」
リドリーは一度、深呼吸をすると扉をゆっくりと開ける。キーッと音を立てながら、扉が開いていく。中はとても綺麗になっていた。何年も人が入っていないと言うのに、部屋の中はあまりにも綺麗すぎた。
「何故、こんなにも……」
部屋の中を見回すと、窓の近くに綺麗なドレスを着た女が立っていた。ゆっくりとこちらを振り向くその姿は、今まで助け出したかった姫であった。
「マリアンヌ様……」
「こんにちは。騎士様」
「私はリドリー。マリアンヌ様を救出するために参りました」
「そう、ありがとう。でもその前に……」
マリアンヌは近くに置いてあったステッキを手に取ると、床を一度叩く。すると、辺りに黒く禍々しい光が現れた。
「フィビー、おいで」
「これは……」
「今までのことは、全て私がやったこと。」
「そんな……」
「さぁ、騎士様。私をここから出してくださいな」
姫を取り巻く魔物が、リドリーに襲いかかる。応戦をするが、リドリーは床に倒れゆっくりと目を閉じていく。
【GAME OVER】
「あぁ!!! おわったー!!」
コントローラーを投げ出すと、床に倒れ込む舞衣。
「なに? なんなの!? なんで、お姫様がラスボスなわけ~、もうワケワカメ……。ネタバレ読んで進めようかなー、どうしようかなー?」
「頑張りなさいな」
「ほえ!?」
声のする方を見ると、ゲームに出てくる白猫フィビーと同じような猫が目の前にいた。
「さぁさぁ、姫様を助けてくださいな!」
「え? え??」
白猫が舞衣の目を見つめる。一度瞬きをすると、目の前に広がっていたのは、ゲームに出てきた所と同じ草原だった。
「さぁ、騎士として、姫様を助けて」




