齧ると毒
#深夜の真剣文字書き60分一本勝負
お題【青い林檎】
こちらのワンライは初めまして。
急に見つけたお題でしたので、よく分からない事になってるような気もしますが、お手柔らかにお願いします。
pixiv:http://touch.pixiv.net/novel/show.php?id=7097959
お題【青い林檎】
家に帰ると真っ赤な林檎が、ダイニングテーブルの上に数個置いてあった。けれど、その中には一つ異質なものがある。『青い林檎』があるのだ。
「なに、これ」
雪乃は惹かれるように青い林檎を手に取る。特に何も考えず口に近づけていく。
「何してるの!?」
母親の怒号が飛び、青い林檎が手から離れ床に落ちる。
「あれ? 私……」
「もう……。なんで、こんな物が……」
「青い林檎なんて、珍しいね」
「……そう、ね」
「お母さん?」
先程の雪乃と同じように、母親は青い林檎から目を離せなくなる。そして、ゆっくりと掴むと、一口かじる。
「お母さん!」
「……あれ?」
「おかあ、さ……」
雪乃は母親から青い林檎を奪い取ると、一口かじる。そしてそのまま二人は倒れてしまった。
しばらくすると、家に白衣を着た研究員が現れた。
「よし、二人を回収。いい実験になったな」
「室長」
「どうした?」
「この林檎、どうします?」
「ん?」
青い林檎と一緒に置いてあった赤い林檎が、青く変色し始めていた。
「おお……、面白い現象だ。回収して研究だな」
「二人と車に詰め込みました」
「よし、今日の実験はここまで。撤収するぞ」
彼らの研究は『青い林檎病』と呼ばれている。突然変異で生まれた青い林檎には、様々な成分が検出されている。
しかし、それは人の体の中に入った時に現れる成分もあるため、人体実験をし続けている。
「今日の二人は、林檎の匂いに過剰に反応してたな。これはまたいい実験結果が出そうだ」
室長と呼ばた男は、青い林檎を使い、国を支配しようと企んでいた。しかしそれはまだ先の話し。




