寝込むなんて
お題【七夕】
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女の子が嘆いてるだけの話。
お題【七夕】
7月7日は、七夕の日。織姫と彦星が1年に1度だけ会える日。
そして、素麺の日でもあるらしい。たぶん、素麺を天の川に見立ててそう言っているんだろう。
そんな事を考えていたら、庭から変な音が聞こえてくる。2階の部屋の窓を開けて、下を覗くとパパが竹を切ってた。
「パパ〜、何してるの〜?」
「ママと相談して、流し素麺やるために竹貰ってきたんだ!」
「へぇ……」
「楽しみにしててくれ。そう言えば、熱はどうだ?」
「まだダルいから、寝てるね」
「おう、ゆっくりしてろ!」
平日の昼間からパパは、竹を切ってる……。今日は、有給休暇でも取ったのかな。
そして私、恩田姫乃は熱を出し寝込んでいる。七夕に、織姫と彦星が会う日に、しかも私の誕生日に、熱を出した。
最悪である。みんなからはメッセージが届くが、それだけで終わる。仲のいい友達には、彦星がいるのに、私にはいない。
もう何もかも最悪だ。織姫も彦星も会えなきゃいいのに。
……それはダメだ。雨が降る。流し素麺出来なくなるから、流し素麺はやりたい。
「あぁー私にも彦星ほしいー」
17歳になる誕生日に、私はひとり寂しい人間だ。




