一杯のコーヒー
そのコーヒーは黒く濁り、ミルクは渦を巻いている。余程きめ細かいミルクなのか、粒が一つ一つ散らばっているように見える。その見た目を充分楽しんでから、私はそのコーヒーを一口すすり、某有名作家の短編集をまた一話読み始めた。
「一体どういうことだ、これは!」
「すみません、ただ、まさかこんなことになろうとは・・・。」
「ええい、黙れ!この能無し天文学者!」
この銀河はあと数時間で終わろうとしていた。
「なぜもっと早く予測できなかったのだ!」
「すみません!本当に、申し訳ございません!」
禿げ頭の学者は大声で泣きじゃくった。
「なにしろ、この宇宙は本当に予測不可能で・・・。」
「それで!」
「まるで気まぐれな人間が、我々の住む銀河をそれと思わず滅ぼそうとしているようなのです・・・。」
丁度その時、彼らの銀河を巨大なブラックホールが飲み干した。
大丈夫ですかね・・・(汗)。