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四魂学園物語。  作者: 黒咲 猫架
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1-4四魂学園のオモテ

「この学園は、学力、能力、家柄などで、自分の生活環境がすべて決まる学園なの。一番影響が大きいのは学力。」

「…つまり、全生徒が全生徒と競争状態なんだな。…全員ライバルってやつか」

「…物分かりが早くて助かるわ」

希白はそう言い微笑する。龍我もその笑顔に微笑み返すと、希白はカップを持ちながら話を続ける。

「そして、その環境差を露わにするために、全生徒には位がつけられているの。上から、ダイヤモンド。ネフライト。本翡翠ジェダイト水晶クォーツ。ペリステライト。ターコイズ。…ってね。」

「全部天然石…?パワーストーン…?の、名前なんだな。」

龍我は自分の首からかけているネックレス…アメジストのネックレスをいじる。アメジストの誕生石は2月。龍我が2月生まれだからということで、昨年、母親が買ってきたものだ。

懐かしく甦ってきた風景にぼうっとしていたが、希白の声によって呼び戻される。

「えぇ。…一番上のダイヤは、とても裕福な生活を。一番下…って言い方は悪いけれど、ターコイズは、貧相…までは行かないけれど、裕福とは言えない生活を送っているわ。…裕福でもなく、貧相でもない。一番楽なのは水晶クォーツね。…そして、すぐに判別できるように、普通校章をつけるところに、その位の宝石をつけるの。…小さいものだけれどね」

「…下の方は身に染みる…精神的にもくるんだな。」

龍我は眉を顰め、そう呟く。

見ただけで判別される…というのは相当辛いものなのだろう。酷ければ罵倒もされるのだ。肉体的にも、精神的にもとてもつらいのだろう。

「…えぇ。だからクォーツ以下の者たちは、同じクラスにいる人達を"仲間"とは見ないわ。…全員ライバル…冷たい目で、同じクラス…それ以下のものを見るわね。…ターコイズにいる人達は開き直らないとやっていけないわね。…そういう境遇だから」

希白はカップの中身をすすり、カップを机に置く。彼女もそれらをみているとつらいのだろう。…人間らしさ、というものがあれば、誰でも辛そうに見え、止めたくなるものだろう。

…そんなことを考えていた龍我にふと、疑問がよぎった。

「…待て。…何でそんなことをしてるんだよ?したって意味あんまし無いよな?」

希白はこくんと頷き、小さく口を開いた。

「この学園——四魂学園の目標は、世界の中心となるような人物を作り上げること。…例えでいうと、大手の社長さんだったりとか、プロデューサーね。それを作り上げるためには、下剋上でしょう?基本。…そして、自分より下のやつを見て、人は成長するし、会社でいうなら合併する。…そういう環境を作り上げていくことで、大物を作りだそうっていう学園の方針なの。…これだけは生徒会長とかいう地位に居ても変えられない。」

"この学園の方針は、大手の社長になれるような生徒を育成していくこと"。それを聞いた時、龍我は何故か背中に寒気が走った。

ただの寒気じゃない。憎悪が混じったような、嫌な寒気。

自分が同じ境遇に置かれていたわけではないが、何故が一瞬、そう感じたのだった。

「……。なるほど。ある程度は理解した。」

龍我はその寒気を振り払うように首を小さくぶんぶんと振る。

そしてカップの中身をすすり、置いたところで頷く。

ふと白衣の彼に聞いたことを思い出したので、彼はまた口を開くとこにした。

「…そういえば、さっき聞いた話なんだが。ここの色々な権限とかって、ほとんど生徒会長なんだろ?」

カップを口まで運ぼうとしていた手が一瞬止まる。

…希白は嫌そうに小さく頷いた。

「…えぇ。この学園の運営などはすべて学園だけれども、学園内のことは基本、生徒会長に丸投げ。…だから、言い方は悪いけれど、悪い人とかに生徒会長の座が渡ると、学園は大変なことになる。…そんな位置にいるわね。」

その方針に少し嫌悪を覚えているのか、小さく両手が震えているのが分かる。

確かに、この学園はおかしいようだ。…と、直感的に龍我は感じるのだった。


…あれ、今回で学園の説明(表)を終わらそうとしたのに、終わらなかったですwまぁ、今度は校則とか、そのへんの決まり事項の話になるでしょうか。

というか、説明ばっかだと、情景描写とかに悩みますね。…言葉だけだと小説ではありませんし…。

…本当に読んでくださる方には感謝です。いつ更新されるか分からない小説ですが、楽しんでいただければ幸いです!!

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