1-0 ブロローグ
小鳥の細やかな鳴き声と、人々の喧騒で目が覚めた。
――ここ、どこだよ…!?
確認できるのは、無数のベッドが広がっていることと、白衣を着た人たちが、ベッドの上で寝ている高校生に見える人たちを調べている…という事だけだ。
病院かなんかなのか。或は実験施設のようなものなのか。
無数のベッドの一つに横たわっていた、龍我 仁。
龍我は背中のほうに寒気が走るのを感じながら、自分の前を行き来する白衣姿の人たちを、じっと見つめ続けていた。
そんな中で、彼が寝ているベッドへと近づく足音が聞こえてくる。
それが近づくにつれて、身構え始めていく龍我だが。
シャッ…という、身軽い音と共に囲っていたカーテンが開けられた。
開けたのは、白衣を着て居るわけでもなく、成年になっていないであろう人の姿。
その姿を見て、彼は身構えていた、肩の力をそっと抜いた。
制服は紺色のブレザーのせいかさらに細く見えるウエスト。そして、水色の生地に白と黒のストライプのネクタイとスカート。
髪の色が茶色で、ふわっとしたカールがかっている。そして、緩めに結んでいるからか、大人っぽく見えるのである。
小顔で、くりっとした二重の瞼とエメラルド色をした瞳は、龍我へとむけられていた。
リップかグロスで薄桃色に色付けられた、小さく可愛い口が開く瞬間も、龍我はその優雅さに見とれていて、目が離せなかった。
「…あら、起きていたの。」
小さな口から発せられる声も、品があり、透き通るような声をしていた。
大きな部屋で、無数のベッドがあるこの空間でも、小さく、響き渡っている声に聞き入っていたせいか、1コンマくらい返事をするのに、間が空いた。
「…あ、あぁ。さっき。」
と、いう曖昧な返事を返したところで、龍我は(――ん?)と脳裏に疑問が走った。
(俺はコイツと知り合いか?…いや、知り合いなら真っ先に名前が浮かぶし。…ってか待て!)
ようやく、自分が置かれている立場を思い出し、身をベッドから乗り出す。
「って違う!!…ここはどこだ?」
龍我から発せられた疑問に対して、一瞬彼女はきょとんとしたような表情を浮かべたが、次に浮かべたのは、微笑み、だった。
四魂学園。…そこは、頭脳、能力、家柄によってすべてが決まる学園である。
そこで、龍我は何を見るのか………。
ブロローグ;END 次回に続く。
三人称が苦手だし、学園ものってなにを書いていいのかわからなくなるのですが、今回、書かせていただきました。
とあるゲームを参考までにしているのですが、どこか似ている部分があるかもしれません。ですが、故意ではないのです。…アレ、意味あってっかな…。
…ま、まぁ、気軽に「この学園ないわー」と思ってくれれば嬉しいですし、「行ってみて—…」と思ってくれてもうれしいです。
これは0話ですが、いつ投稿されるか分からない1話もぜひご覧下さい!