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12月24日・早朝
本作はクリスマス企画小説です。
じわじわ更新していくからよろしくね!!
12月24日の早朝。
男は運動靴の紐を固く固く結んだ。
「……パパ、まだ6時だよ……?」
「ああ、俺はもう行く。いい子にしてるんだぞ」
その大きな手で少女の頭を少し乱暴に撫でる。それはもはや毎年恒例となり、クリスマスの儀式のようなものだった。
「今年こそ、俺は悪いサンタさんをこの街から追放してみせる。子供達の夢を守ってみせる」
「…………」
枕を抱いて見つめるその少女を背に、青年はまだ薄暗い夜の闇へと繰り出した。