そらまめのそらもよう 〜episode12 丸月〜
まあるい まあるい お月さま
大きな 大きな お月さま
畑一面を 明るく照らしています。
そらまめは、お月さまをながめながら
歩いていました。
だんだん お月さまに 近づいているような気持ちがしました。
そのとき、突然
そらまめの体が ストン、
と、穴の中へ落ちました。
コロコロコロコロ
コロコロコロコロ
そらまめは、すっかり目がまわって
ふ〜らふら。
気づくと、まるくて 大きなものに
囲まれていました。
まるくて 大きな お月さま?
いやいや ちがう
光ってないし、なんだかゴツゴツしてる。
突然家の中に、ころがり落ちてきたそらまめを
囲んでいたのは、
じゃがいもたちでした。
小さくて まるい
これは じゃがいも?
いやいや ちがう
みどり色だし、なんだかうすっぺらい。
そらまめとじゃがいもたちは、
お互いに初めて見たもの同士で
とまどっていました。
そこへひとつのじゃがいもが
そらまめのそばへやってきて
そらまめの体についた土をはらいました。
そらまめは、お月さまを見て歩いていたら
ここに落っこちたことを
身ぶり手ぶりで 伝えました。
すると、ひとつの大きなじゃがいもが
そらまめを かかえあげて
頭の上に のせました。
そして 穴を のぼって、
地面の上へ 出ました。
まあるくて 大きな お月さまが
じゃがいもとそらまめを 照らしました。
じゃがいもは、大きなお月さまにびっくりして
穴に通してあるツルをひっぱりはじめました。
すると、ツルをつたって
じゃがいもたちが ぞろぞろと 穴から出てきたではありませんか。
ぞろぞろぞろぞろ、たくさん!
じゃがいもたちは、大きな まあるい月をみて
みんなびっくりしていました。
そらまめとじゃがいもたちは
畑の上にならんですわって、
しばらく、まんまるのお月さまを
いっしょに ながめたのでした。