11月・神風
まだ蚊がとんでいた事実に
驚愕と疑問と心細さを
たった一匹で攻めてきたおまえを
せめて一撃でと
そしてためらう
おまえを撃ち落としてなにになろう
おまえの時代は終わったといわれて
ふざけるなってやってやるんだって
怒り狂っているのかしらん
それともただただひたすら
これが欲しいだけなのかい
おまえにはこれが必要かい
ならば捧げんこれの身体を
心ゆくまで味わいなさい
たらふく食ったら
飛んでゆけ
おまえは自由になったのだ
また生まれてこいよな
また会おうぜ
いつかの季節に