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: 拳客
すすり泣く声が聞こえる。
薄暗い部屋の中、小さい男の子が畳の上で正座をしていた。
周囲には畳まれた布団、請求書や学校のプリント、ゴミが散乱し、棚などの家具の上には、しまい切れていない靴下や下着が山となって雑に積まれていた。
目や鼻を何度も拭ったのか、赤みがかっており、それ以外の露出している肌には、すり傷がいくつもできている。
襟元や袖は涙と鼻水で雑巾と化し、湿った冷たい感触が気持ち悪い。
なぜ男の子はこんな状態になってしまったのか、その元凶はすぐ目の前にいた。
煌々と明るく照らされた部屋でゴミに囲まれ、座椅子に膝を立てながらテレビゲームに夢中になっている。
足の踏み場もない部屋に居座る屑山の大将は、シワだらけのTシャツ、短パン姿のだらしない姿をしていた。




