僕の日常。①ユキ君・・・どうしたの・・・?
僕の日常。①ユキ君・・・どうしたの・・・?
僕の日常は、平和だった。
いつもいつも友達のユキ君がいて、幸せだった。
でも、そんな日常は今日で終わりだった。
「でね、それでね、お母さんに褒めてもらったの〜!」
「ふーん。そうなんだな。」
それだけで、十分だった。
僕の話を聞いてくれて、頷いてくれるだけで満足だった。
「ユキ君は、褒めてもらったことある?」
ユキ君は、しばらくしてから言った。
「・・・わからない」
「そっか。それもいいよね」
その時の僕は、何も考えていなかった。
幸せ過ぎて、浮かれていた。
「ユキ君は、お母さんいる?」
「・・・っ」
「?どうかしたの?」
「なんでもねぇ」
その時のユキ君は、いつも以上に怒っていた。
いつも怒ってるような気がしてたけど、今回は殺気すら見えて来た。
でも、その時の僕はあまりにも馬鹿だった。
「じゃあ、ユキ君のお母さんって、誰なの?僕、見たことないや」
「なんでもねぇつってんだろ!!」
「え・・・」
僕は驚いた。
いつも無表情でクールなユキ君だから、こんなに怒ることは初めてだった。
「悪ぃ。一人で帰る」
「え・・・あ、うん・・・また、明日ね・・・!」
僕は寂しくなった。
またあの嫌な記憶を思い出しそうになり、悲しくなった。
でも、嫌なことを振り捨てて、急いで帰った。
家に帰ると、優しいお母さんが待ってくれてる。
そう思うと、自然と嫌なことを忘れていた。
ガチャ
「ただいまお母さん!」
「おかえりなさいエリ。おやつはテーブルの上においてあるからね」
「うん!わかった!後で食べるよ」
そう言って僕は自分の部屋に入った。
(なんでユキ君は怒ってたのかなぁ。もしかして、僕のこと嫌いなのかなぁ)
そう思うと自然と涙が溢れてきた。
僕は嫌な記憶を思い出したくないので、そのまま眠りについた。
①ユキ君・・・どうしたの・・・?完
次回②過去の記憶