幸せのかたち
私の周りに漂う幸せを、寄せて集めて、ぎゅうっとおにぎりのように握ったら、それは文鳥のかたちになる。
見ているだけで、幸せになれる。
触れると、温かくて、柔らかくって、すべすべしてて、ほわほわしてる。
すぅーはぁーと嗅げば、とても良い匂いがする。
ふーと言いながら、私の手に座り、温めて、争い難い睡眠物質を注入してくる。
愛しい生き物、それが文鳥。
たとえ──悪戯しかしないとしても。
毎朝、出せ出せとうるさく騒ごうとも。
出した途端に、私に目もくれず、それぞれ好きな場所に行ってしまうとしても。
チュンカチュンカ煩くて、テレビの音が全く聞こえなくとも。
肩に乗り、耳に向かって、鳴こうとも。(耳はマイクじゃないですよ?)
忙しいと察すると、わざわざやってくるとしても。
スマホを見てると、ドシっとダイレクトに指に乗り、画面が全く見えなくなろうとも。
そしてたまに、その反動で、要らぬところをタップしてしまおうとも。
画面に乗り、つーっと滑り、要らぬスクロールをされようとも。
全てが愛しい。
あなたたちが居るだけで、私は幸せなんです。
文鳥は自由に飛び回る。
雛から育てたというのに、全然捕まらない。
呼んでも知らんぷり。
でも気が向いたら、そばに来てくれる。
思う存分、嗅がせてくれる子もいる。
自由な鳥が、自分の意思で、私の所に来てくれる。
それは、とても幸せな事だと思う。
生まれてきてくれて、ありがとう。
今日もそばに居てくれて、ありがとう。
大好き。愛してる。
元気で長生きしてね。
毎日、毎日、お願いしている。
1分でも、1秒でも長く、そばに居て欲しい。
それは私の我が儘。
たくさんの子と出会い、そして別れた。
別れは辛い。何度経験しても。
でも出会えた事に、感謝と、喜びはあれど、後悔はない。
だから、今日も私は幸せだ。
私の周りには、幸せが飛び回っているのだから。
10月24日は『文鳥の日』
「て(10)に(2)し(4)あわせ」手に幸せの語呂合わせと、この時期に文鳥の雛が多く出回ることなどから、制定されたそうです。