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久遠の海へー再び陽が昇るときー  作者: koto
第2章 民主主義の崩壊
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2-6

 レッドは国防長官パトリック・グリーンフィールドと相反する立場にある。だからこそ、先のグリーンフィールドがソ連の軍事演習より、組合の解散やデモ等の発生を優先して話したことが気に食わなかった。

「民主化だと!?!いま日本で生じているのは、北朝鮮の侵攻を支援する工作員の後方支援に他ならない!現に、日本の治安維持のため、半島へ軍隊を回せないのだぞ!」

「それは考えすぎだ!開戦以前からデモは続けられていた!不運にも被ってしまっただけでしかない!」

 国防長官と国務長官が白熱した論戦を続ける中、痺れを切らしたのは大統領トルーマンだった。


 ルーズベルトの反日許共政策を真っ向から反対した彼は、今の朝鮮半島の戦争を見て自己の不運を嘆いていた。前政権たるルーズベルト政権は反日許共で、共産陣営に大きな支援を行っていた。

 北朝鮮軍が米ソ両国の兵器を使っていたのは、戦時中にレンドリースでソ連に譲渡された為だ。

 兵器や物資だけならまだしも、千島列島と北北海道を明け渡したのは確実に間違いだった。今、日本駐留軍を半島へ向かわせられないのも、元を辿ればルーズベルトの失態に他ならない。

「国防長官、それで我々が取れる選択肢は?」

 大統領の一言で両者が口をこらえる。いくら長官と言う立場と言え、大統領より下位にあることを忘れてはいなかった。

「朝鮮半島に展開する我が軍は、あくまでも治安維持のための軽武装軍です。前線が突破されるのも時間の問題と言えます。残念ですが、在韓部隊の回収は困難かと思われます。」

 韓国の武装警察と米国の軽武装部隊。進軍するのは重武装の陸軍師団と航空機戦力だ。突破を防ぐことは叶わないことが明白だった。それでも、米国民間人を日本へ脱出させるために戦闘を継続していた。

「大規模軍を半島へ送ると、共産陣営の参戦も予想され、最悪核戦争も覚悟しなければなりません。派兵するとしても、日本で待機させ外交解決を図るべきかと思われます。特に、陸軍総数は戦前の半数以下にまで減少しており、半島へ派兵したとしても戦局に大きな影響を与えないと考えられます。」


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