どうしましょうか
次の日の朝。会社に出勤すると、エリサさんに呼ばれた。
「今日は例のことについて調べようと思う」
「手記のことですか」
「そうだ、お前にも手伝ってもらう。今日は例の塔について王都の情報屋に行って調べてきてほしい。支払いはこのカードで頼む、幾ら使っても構わない」
エリサさんから任せられた初めての仕事だ
「分かりました。」
俺は職場を出て、情報屋に向かった。
凄い人だな。
大きな建物。入出口からは多くの人が往来している。
情報屋に入り、受付へと向かう。
「情報を教えて欲しいのですが」
俺は眼鏡をかけたツインテールの受付嬢に話しかけた。
「どのような情報ですか?」
「キシトールの塔に関しての情報を教えてほしいのですが」
王都の情報屋は平民から王族までもが利用する、歴史の長い店である。情報屋の情報すべての価値を合わせた金額は天文学的な数字になるといわれている。
「キシトールの塔に関しての情報の対価として5000万メルクをお支払頂けたらお教えいたします。」
5000万メルクか。高い、いや、安いのか?
とにかく、キシトールの塔の情報はあるということが分かった。
エリサさんから貰ったカードで払えるのか
めんどくさいし確認しなくてもいいかな?払うのは俺じゃないし。
「カードでお願いします」
俺は受付嬢にカードを渡す。
「かしこまりました」
受付嬢が、書類を魔法で呼び出す。
「こちらになります。」
「ありがとうございます」
俺は書類を受け取り、店へ戻った。
「5000万メルクかかってしまいましたが」
俺はエリサさんに書類を渡す。
「5000万メルクか、想定内だ」
成功報酬よりも高い経費がかかっているけど、大丈夫なのか?
エリサさんは書類を見る。
「塔は、王城の地下か、もはや塔ではないな」
地下に、塔規模の空間があるのか。
「なぜ、情報屋はこの事を知っていたんでしょうか」
「情報屋は、2000年前から記録を撮りつづけているからな」
成る程、キシトールは1000年前、それより前から記録を撮りつづけているのか
「問題は、どうやって王城に入り込むかだな」
王城に勝手に入るのか。下手したら犯罪、いや、犯罪だ。
下手したら打ち首。最悪、公開処刑だ。
「さすがに、危ないですよ」
「やるしかないなスクマ。今回はお前の仕事だ。何とかしろ。」
「何で、俺の仕事になってるんですか。何とかできないですよ」
「頼んだぞ」
「いや、ちょっと待ってくださいよ」
エリサさんは、俺の肩を叩きどこかへ行ってしまった。
さて、どうしましょうか
俺は王都の市場へと向かった。
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