とても良い思い出 1
確か…高一の冬、下宿先を見ようと、電車に乗ったときだった。
そのときの、時間は10時ぐらいだったはずだ。昼ご飯の事を考えていた。
そのとき、
「この駅の行き方知りませんか。」
キャリーバックを2台ひいている美しい外国人に聞かれた。いや、日本語がうま
いから、この人はハーフだ。
そんな事を考えながら彼女が持っていたメモに書いてある駅名を見た。そして
思った… めんどくせぇぇぇ。
この一言に尽きる。メモの駅は僕らが乗っている真逆の方向にあり、乗り換えも
しないといけない田舎の駅だ。しかも遠い、遠すぎる。説明がしにくすぎる。
説明するくらいなら、一緒に行った方がいい。間違える心配がないからだ。
単純にそう思った。
「ここから、とても遠いので一緒に行きますよ。」
「わざわざ、ありがとうございます。」
「でもまずは、電車をかえないといけませんよ。」
「そうだったんですか?分かりました。」
そう言って、乗り換えを終わらせると電車に乗り込むと当然の様に横に座って
きて、
「まだ、名前を聞いていませんでしたね。私の名前は、霧島命
です。」
「命と呼んでください。ちなみに、イギリス人と日本人とのハーフです。今
から行くのは、母の実家です。」
やっぱり、ハーフだった。それと同時にその駅の周辺には、立派な旅館に大きな
温泉があった事も思いだした。
「僕の名前は、小熊颯斗です。」
「では、小熊さん駅に着いたら起こしてください。昨日、日本に来たばっかりで
なんか眠くて、しかたなくて」
このことを、時差ボケと言うのか?ってあと2時間起とかす気かよ!
この時代にはスマホと言う、ハイテク機器があるからな。
「わかりました。」
「ありがとうございます。おやすみなさい」
...2時間後...
やばい、充電が無い。あと、10%しかない。元々充電が少ないの問題だった
が、問題ない目的地にもう着くからな。あと、命さんの寝顔は、結構可愛い。
寝顔をのぞいていると、駅の名前が呼ばれた。
もう、お別れか…そう残念がりながら、命さんを起こす。
「命さんもうすぐ、着きますよ。」
「う...もう着きますか...」
電車のドアが開くとよたよたして向かっていっている。これは、危ないと思い
駅の椅子まで送る事にした。そして、ドアを出た時だった。
ジリリリリリ
音が鳴るとドアが締まりおいていかれてしまった。
「あっ…」
つい声が漏れてしまった。
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