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第二話「四人の出会い」

ー棗sideー

私たちは一緒に中学校へ向かっていた。

するとカーブを曲がったところで突然人が現れた。

交わしきれない私はゴチンッと鈍い音をたてて頭をぶつけた。

「いたたた…」

私が頭を押さえていると佳穂が「大丈夫!?」と駆け寄ってくれた。

私はぶつかった人に文句を言おうと立ち上がろうとして前を見た。そこには同じくらいの年の男子が私と同じく頭を押さえて尻餅をついていた。制服からして同じ中学みたいだ。

「いってぇ…なにすんだよ!」

突然その男子は私に飛びかかりそうな勢いで怒鳴ってきた。

すると、その後ろからもう一人男子が「大丈夫か〜?」と走ってきた。

「『なにすんだ』じゃないわよ!あんたが勢い良く走ってきたんじゃない!」

私も負けずと飛びかかる勢いで怒鳴ってやった。後ろから佳穂が何か言ってるけど今は目の前にいるこいつをどうにかしないと気が済まない。

男子が腕を上げて下ろそうとした瞬間、後ろから走ってきた男子に腕を掴まれていた。

「なにすんだよ!友樹!」

「要。これはお前が悪い。謝れ」

すると要と呼ばれた男子は少し舌打ちをしたのち私に頭を下げてきた。

「スンマセンでしたー」

「なによ!その謝り方は!」

そう言って私が立ち上がろうとすると後ろから佳穂が止めてきた。

「佳穂!行かせて!一発お見舞いしてやりたいわ!」

「やめなよ。あっちも謝ってるんだし」

佳穂に言われたら仕方が無い。

私は立ち上がるのをやめた。

「まっ、まぁ、今回は許してやってもいいけど」

私はそっぽを向きながら冷たく言い放った。

「ふん!……行こうぜ、友樹」

要と呼ばれた男子は友樹と呼ぶ男子を連れて行ってしまった。

「ごめんね!後で何かおごるから!」

友樹と呼ばれた男子は連れて行かれながら叫んでいた。

私は要と呼ばれる男子に「べーっだ」と舌を出してやった。

私が立ち上がろうとすると佳穂が手を貸してくれた。

「ありがとう、佳穂」

すると佳穂はずっと男子の方を見たまま動かなかった。

「佳穂?」

「えっ!?あっ、うん。どういたしまして」

佳穂は少し慌てながら言った。

私はその様子を見て一つ心当たりがあったので聞いてみた。

「もしかして…どっちかの男子…好き?」

すると佳穂はびっくりして慌てながらそして、顔を赤くしながら「そっ、そんなことないよ!」と言った…けど私にはわかった。どっちかに佳穂は恋をした。私が佳穂に恋したみたいに…

私はショックだった。でも、普通は異性を好きになる。同性を好きになった私が可笑しかったんだ。

私は佳穂の手を握ってできるだけ笑って言った。

「応援…してるね?」



ー要sideー

俺は今非常にムカムカする。

「なんなんだよ、あの女」

俺はブツブツ文句を言っていた。

後ろからついてくる友樹はずっと黙ったままだ。

立ち止まって友樹の顔を見ると、今まで見たことないぐらいに赤かった。

「友樹!?顔…」

俺がそう言うと友樹は顔を押さえながら「べっ、別に黒髪ロン毛に一目惚れしたわけじゃないからな!」と言ってしまったという顔で口を押さえた。が、もう遅い。

俺はショックだった。いや、普通は友樹が正しいんだ。友樹が好きな俺が可笑しいんだ。俺はそう自分に言い聞かせた。

俺は友樹の肩を叩いてできるだけ明るく言った。

「応援するぜ…!」

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