1−8 囲い込み
私は七香に早速パパからの作戦を伝えた
「おー!任せて!」
七香は、これ以上にないってくらいのはしゃぎっぷりで、パパからの指示を聞いていた。私はそんな姿を見て、別の不安を感じていた。
パパからの指示は
・グループチャットの中で、咲希ちゃんの協力者を見つけること、可能であれば2人
・その協力者1が、偶然を装って、偽造された写真の元データをグループチャットにあげる
・その協力者2が、二つの画像が同じものであること、合成されたものであることに言及する
・どちらかが反省の意を投稿する
・先生をそのグループチャットへ介入させる
だった。
七香は早速自分のネットワークを使って協力者を見つけてきた。七香のこういうところは本当にすごい。単に情報収集だけじゃなくて、みんなに信頼されている証だ。
七香は、最初から先生に入ってもらった方がいいんじゃないの?って聞いてきたけど。それはダメってパパが言っていた。
確かに先生が介入すれば、そのグループチャットは休止状態になる。だがすぐに別グループが生まれて、場所が変わっただけになってしまう。しかもそれが見えないところで拡散する可能性も高い。ってことだった。
それを防ぐためにも、まず内部での疑心暗鬼の構造を作る。大部分は罪悪感を持っていて、そこに証拠が出れば、そこから逃げ出したくなるものだ。
そこへ権威(この場合は先生)を介入させることによって、ただ乗せられた人たちを離れさせる。
最後は残った人物。
画像を最初に投稿した人物かそこに近しい人物だが、「開示請求」を使う。もちろんこれはブラフ(はったり)だが、ブラフだと疑われないためにも、誰にも相談できないように包囲網を敷いた。
匿名だと思ってたところに、自分が特定されるような「基盤が崩れる」ことがわかったら、怖くて流石にもうやらないだろう。
最初に封じ込め、根絶する方が効果的なんだとか。
「サイバーインシデント対応での手法と同じだ」
とよくわからないことを言っていたけど、まあいつものことだ。
ちょっとだけ、その犯人に同情した。
パパが敵でなくて良かった。
こんな風に追い込まれたら、って思うとゾッとする。
<つづく>




