1−6 ウォーターマーク
「紬、そのIDとパスワードを持っているか?」
「え?持っているけど」
「よし、それを見せてくれ。今からアクセスしてみる」
夜、パパに今日の話をすると、がっかりするどころか、勢い込んで、写真販売のチラシから写真販売サイトにアクセスした。
「よし、アクセスできたぞ」
「ね?誰でもアクセスできるから犯人特定には役に立たないよ」
「そこじゃない」
「え?」
パパはしばらくPCを操作していたかと思うと、満足したように言った。
「あった」
「何が?」
「偽造された元の写真だよ」
画面を覗き込むと、佐々木先輩の写真と、咲希ちゃんが写った別々の写真が表示されていた。
確かにポーズとか向いている方向は、あの画像と同じだが。
「確かに同じ写真ぽいけど、これを見てあの画像と結びつけられないよ」
「ここをよく見て、ほらちょっと白っぽい文字が見えるだろう」
言われてみれば、写真に所々、文字のようなものが入っている。
「えっと、これは・・写真屋さんの名前?」
「そう、これがウォーターマークだ」
「ウォーターマーク?」
「この写真販売サイトでは、このサイトからコピーされることの防止として、全ての写真に自社の名前のウォーターマークを入れているんだ」
言われてみれば、全ての写真に、縞のような白い文字がうっすら入っている。これがコピー防止の印ね。
確かに販売サイトのスクショをとればタダで手に入れちゃうもんね。
そして二人が写っている写真を目を凝らして見ると。
「あ、パパ、ここ!同じところが白くなっている!これってウォーターマークの破片?」
<つづく>




