第97話 進撃の冒険者
「おーい! 待たせたな! 3人でよく抑えた! すごいぞ!」
後詰パーティの中から大声で3人に呼び掛けるものがいた。
おそらくは、後詰パーティ2組の内のどちらかのリーダーだろうか。
トールが背後をちらりと振り返り、人数を確認すると、2パーティ9人ほどが到着している。
「すまん! ここのことはあとは任せる! 俺たち3人は、先行する! もしさらに援軍が到着して、ここに余裕が生まれたら、この先の『青水晶の洞窟』まで、援護に来てくれ!」
その9人の方へ向かって、トールは叫び、次いで、ラムとジュエレーに声を掛ける。
「行くぞ! 二人とも!」
「はいはーい」
「はい、いきましょう!」
トールの呼びかけに二人が相応の返事を返すなり、トールは前方へと駆け出した。
二人を振り返りもせずに、目前の敵を片っ端から粉砕しながら、まるで猛牛の突進のごとき勢いで魔物を蹴散らしてゆく。
「ったく、お前のその火力は、本当にエグいよなー」
少し後ろを走るジュエレーがトールに向かって言いながらも、左右から迫る魔物を打ち滅ぼしてすすむため、最後尾のラムは、術式展開に充分な時間が取れた。
「行きます! 『凍てつく氷槍』!!」
駆けながらラムが叫ぶと同時に、トールとジュエレーの二人が左右に分かれ、間隙を作ると、そこを巨大な氷の槍が突き抜けてゆく。
「うひょぉお! さすが師匠! この火力も半端ないね!」
ジュエレーが口角を上げつつ、ラムを冷やかす。
ラムの氷槍はそのままおよそ70~80メートルは突き抜け続け、まるで海が割れるような「通路」が生まれた。
「しゃべってる暇はないぞ! 走れ!」
「あいよー、トール、私の足を舐めてない?」
「大丈夫です!」
言いながら3人は駆ける速度をぐんぐん上げてゆく。
「あそこだ! 左折するぞ!」
トールが真っ先に分かれ道を左折する。
ついで、ジュエレー、ラムも隊列を崩さずに後を追った。




