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第93話 ギルマス、ジーン・ラッシュウォードの決断


 トールがギルドでレイラさんと話している頃。

 ヨーレン村――。


 レドラトーの冒険者ギルドマスター、ジーン・ラッシュウォードは、村の南門を少し入ったところで12人の手勢を率いて奮戦していた。


 が、魔物どもの数は減るどころか増える一方で、それ以上村の中まで進軍することが出来ていない。


 魔物のレベルはさしたるほどでもない。おそらくのところ、鋼鉄級冒険者であれば問題なく対応できる程度だ。青銅級冒険者でも一対一ならなんとかできるだろう。


(――しかし数が多すぎる!!) 


 ジーンがヨーレン村に到着した時にはすでに村の中に魔物どもが侵入しており、命からがら逃げだしてきた村人十数人と、門から少し離れた街道の途中ですれ違ったが、逃げ遅れている者たちはまだ村にいるか、すでに殺されてしまったということだった。


 村には一応、簡易柵と門が設営されており、衛士も数部隊配置されていたのだが、どうやらすでに壊滅してしまったようだ。


(ったく! 王国兵団が来るまでこちらが持つかどうか――)


 こういう不測の事態の為に編成されているのが王国兵たちのはずだが、『アウト・ブレイク』など、久しく経験していなかったため、対応が遅れる可能性が高い。

 いくら兵団が馬を持っているとはいっても、一番近い兵団拠点からは30分はかかる距離だ。


(そうすると、『第二陣』の方が先に到着するかもだが、いかんせん数が足りない。下手をすればこちらが囲まれて全滅しかねないな。拠点になりそうな場所があればまだこらえられるだろうが――)


 おそらくのところ、『第二陣』が到着するのはあと15分ほどだろう。

 とは言え、冒険者たちだ。数はそう多くない。せいぜい30人ぐらいが関の山だ。


 いずれにせよ、王国兵団が到着しない限り、村の完全奪還は難しい。


(仕方がない――。一旦退くしかなさそうだ――)


 「幸いなこと」だが、魔物たちの様子を見る限り、標的はこの村一本のようで、逃げ遅れた村人に襲い掛かるか、食料を強奪したり、家畜を殺して食したりしている程度で、冒険者を排除して村を占拠しようというような気配は見えない。


(ダンジョン・ボスはまだダンジョンの中にいて、この場には『指揮官』が居ないということだろうな――)


 もし『指揮官』が到着したら、完全に占拠態勢に入り、村の奪還はより難しくなってしまう。

 

「くそぅ、ここまでだ! 一旦退くぞ!」


 ジーンはついに決断し、他の12人に通告する。


「第一陣、退却だ――!! 一旦退いて、二陣の到着を待って再突入する!」

 

 この号令に他の12人も呼応し、ジーンたち13人は門を放棄し、追いかけてくる魔物だけを斬り払いながら、街道を駆け戻った。


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