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第81話 レドラトー冒険者ギルド


 公衆浴場で疲れを癒したラムとトール、そして、ジュエレーの3人は、その晩、冒険者ギルドのロビーで一夜を過ごした。


 冒険者ギルドは24時間開放されていて、ロビー自体は使うことができる。が、もちろん、受付窓口は業務を終了しており、開始時刻は朝の6時からということのようだった。


 コツコツコツ――。


 トールは、ギルドホールに靴の音が響くのを耳にした。

 ソファに座ったまま眠っていたトールが、薄く目を開けて音の方に視線を投げると、職員の制服らしきものを身にまとった女性が目に入る。


 もうそんな時間か、と、座ったままで、両腕を天井に向けて延ばし、背を伸ばす。


「――お疲れ様です。もう少ししたら受付開始時刻になります。そろそろ、起きてくださいね」


と、どこかで聞いたことのある声がその女性から発せられた。


「ん? 君は――」

と、トールはもう一度その職員の方をよく見る。


「おはようございます、トールさん。これからもよろしくお願い致しますね?」


 そう返したその女性。彼女は、サンザーレの受付嬢だ。たしか名前は――。


「レイラ――、レイラ・バトンです。冒険者ギルドの方針により、私はトール・レイズ担当補佐官に任命されました。今後、トールさんの冒険者人生のアシスタント的な役割を担うことになります」


 だそうだ。


「詳細は後ほど――。私は受付の準備を進めてきますので、トールさんは、お連れ様――ん? もしかして()()()()()?」

「ん? ああ、あいつのことか。ああ、成り行きでな」

 

 レイラが話を途中で止め、ジュエレーに気が付いて問いかけてきたことに対し、トールは、簡潔に答えるにとどめる。


「……そうですか。彼女も付添人――のようには見えませんね。それも後で聞きます。取り敢えず、お連れ様を起こして準備をしててください。お呼びしますので」

「わかった」


 そうやり取りをかわすと、レイラ嬢はカウンターの方へと去っていった。

 

 トールが、正面に座ったまま寝ているラムと、その横でソファに寝そべっているジュエレーに声を掛けると、二人もようやく目を覚ます。


「そろそろ起きろ、朝だ――」


 その声に直接の反応はなかったが、二人とも背伸びをして、あわわと口を大きく開けてあくびをするのを確認したトールは、ソファから立ち上がって、掲示板の方へと足を進める。


(クワン鉱山探索クエ、ローダン渓谷の野盗壊滅クエ、レドラトー周辺農場の畑作業、商店街の運搬作業ほか――。『レイド・クエスト』宵闇の迷宮マッピング・キャンペーン。『レイド』ってなんだろう?)


 掲示板には他にも多くの依頼が掲示してあり、やはり、ここの街のギルドの方がサンザーレより大きいようだと理解する。


 ここが俺の第2の故郷となる――。


 トールはなんとなくそう思うのだった。


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