第65話 「魔族」とは②※
「幻族」と「魔物」の相違点について述べる。
この二つの種にとって大きな違いは、「知性の高さ」であろうと思われる。もちろん、容姿も大きな違いであるが、それは本質的な違いとは言えない。
その理由は、総じて「魔物」と呼ばれるものには様々な形態があり、動物型、人型、昆虫型、精霊型、鉱物型など、枚挙にいとまがないからだ。
よって、本質的な違いといえば、「知性の高さ」、つまり、知性をもって思考し行動できる人族と同程度の知能を持つか否かということになる。
「魔物」の知性は一般的にはかなり低く、「本能レベル」と差はないと言われており、基本的には「食欲」、つまりは、「魔力素」の収集を目的とした行動原理に従っているとみられている。
言語を理解しているものは、ほぼ皆無だ。
つまり、行動原理的には、動物種、甲殻類種とほとんど変わらないとされている。
「魔物」と「幻族」との共通項は、「自身の手によって殺したものの魔力素を取り込むことが出来る」という点だろう。
これがどうして可能なのかという理由は解明されていないが、この二つの種族が「魔力素」との親和性が高いということに由来しているのではないかと推察されている。
取り込んだ魔力素は単なる「魔力」に変換されるだけでなく、その個体の魔力総量、つまりは「容量」をも増大させると見られており、長い年月にわたってたくさんのものを殺してきた魔物は、強大なパワーを持ったり、強大な魔法を操るようになり、ダンジョンに在っては、ダンジョンボスのような存在に成長してゆくとみられている。
しかしながら、基本的には「知性」が低いままであるため、過去において「魔将」クラスにまで成長した例はあまり多くない。
対して、「幻族」。
なかでも、人族を敵視するものたちは、「魔物」や「人族」、その他の種を殺害しまくり、強大な力を得て、「魔物」を従えるものに成長することがある。
「従える」といっても、相手は「魔物」であるから、言語で操っているわけではないことは明らかなので、おそらくのところ、「強大な魔力による統率」ではないかと見られている。
彼らは最終的には「魔将」やその上位階級である「魔王」に昇格し、「人族」世界に対して侵略行動を起こすようになるのだが、これがいわゆる「魔人戦争」だ。
「つまり、「魔将」に昇格するのは、基本的には「幻族」ということになるわけです――」
と、ラムは一旦、説明を終える。




