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第49話 昇格おめでとう


 トールとラムが冒険者ギルドへもどると、レイラさんがことさらに安堵した表情で迎えてくれた。

 これまでと違ったその反応に、トールは少し戸惑ったが、「昇格クエスト」はやはり少々危険を伴うものなのだろうと思うことにする。


階級証プレートだ。鑑定をたのむ」


 そう伝えつつ、カウンターの上に首から外した冒険者階級証プレートを置いた。


 レイラさんはいつものように、

「はい、お預かりします。お疲れさまでした」

と、請け合いつつ、階級証プレートを手に取る。


「おう、戻ったか――」


 ちょうどその時、カウンターの奥に現れた男がトールに声を掛けてきた。先程ダンジョンで出会ったあの男、カインだ。


 カインはそのままこちらへ寄ってきて、レイラがトールの階級証を記録読取器トレーサーに掛けるのを覗き見る。


「コボルド・センチネル21体、コボルド・ソルジャー12体、コボルド・チーフ3体、マイン・コボルド・ロード1体――? え? ええっ!? ギルマス! これはどういうことですか!?」


 レイラさんがその数値を確認したあと、カインの方を顧みて言った。


「そうか――。本当に討伐したんだな。トール・レイズ、少し話がある。ギルマス室まで来てもらおう」


 トールはカインの言葉に少し動揺した。

 なにか、まずかったのか? それともなにか間違ったのか?


「わかった。ラムも連れていっていいか?」

「ああ、むしろその方が好都合だ。一緒に来てくれ――」


 トールが思わず放った言葉にカインがそう応じた。言ってしまってから、やはりラムには待っててもらった方がよかったかと少々後悔したが、「時すでに遅し」か。

 トールは、ラムの方を振り返り、少し申し訳なさげに首を折る。


 ラムは、仕方ありませんね、というように頷くと、トールの後に続いた。



 カインのあとに続いてギルドマスター室に入るトールとラム。

 カインは、大机の前に並べてあるソファセットの正面に腰かけると、トールには入り口側の席を指し示す。


 トールとラムは並んでそこに腰かけた。


「さて――」

と、カインが切り出す。


「まずは、昇格おめでとう、と、言っておく。――が、単純に喜んでいられる状況でもなくなった。いったいお前は『何もの』なんだ――?」

と、続けてカインはトールに問いかけてくる。


「言っている意味が良く分からないが――。俺の今日のクエストに何か問題があったのか? でも、今、昇格はできるとそう言ったが、一体どういうことなんだ?」

と、トールはカインの言っている意味がよく理解できずに応じた。


「お前、『自分が何をしたか』、わかってないのだな?」


 カインがトールをきっと睨みつけた。


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