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部員2名から目指す甲子園〜人数足りないなら連合チームを組めばいいじゃない〜  作者: ウエス 端
連合チーム再結成編

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第92話 オレたちの練習場所に案内する

 今日は埜邑工業高校野球部の顧問と選手、女子マネたちを招いての顔合わせ行い、互いに連合チーム参加で合意した。


 そのあと埜邑側からオレたちの練習を見学したいとの希望が出たので、一緒にグラウンドへと向かっているところだ。


 オレとしょーたは間に埜邑側女子マネの鯉沼さんを挟んで雑談しながら移動中。


 というのも、鯉沼さんはしょーたとは幼稚園からの幼馴染ということで……オレは密かにワクワクしている。


 中学時代は学区が違って疎遠になったらしいが、丁度その空白期間について話をし始めたところだ。


「へえ〜。鯉沼さんって中学時代は剣道部だったんだ」


「はい。全国大会とかそういうのには全然縁がなかったけど、部活そのものは楽しかったです」


「でも野球部女子マネやってるってことは、剣道は辞めちゃったの?」


「辞めたというか女子剣道部が無いから。あたし、3年前の共学化で設置されたデザイン科で勉強したくて埜邑工業に入学したんです」


「そういうことか。ところでしょーた、黙ってないでなんかリアクションしろよ」


「……剣道は残念だったな。小学校時代はチャンバラごっこで男子をなぎ倒してたってのに」


「それは別に関係ないんだけど?」


「それにしても、よっちゃんがデザイン志望だなんて意外すぎる。そんな素振りなかったから」


「そんなことないよ。クルマとかのスケッチ描いて見せてあげてたじゃない」


「そうだっけかな、覚えてないや」


「……あっそう。だけど意外っていうなら、しょーたが私学の野球部に行かなかったことの方がよっぽど意外なんだけど?」


「おれにはそんな実力がなかっただけのことさ」


「だって、あたし知ってるよ? しょーたの中学校……大化東中学が全国大会出場までもう少しだったって」


「だけどおれはベンチを温めてたから」


「でもキャプテンだったんでしょ? チームをまとめて、代打とか守備固めで活躍したって人づてに聞いてるんだから!」


「……もういいだろ! そんな話やめろよ!」


「なによ! 大声出さなくてもいいじゃない!」


 ヤバい。久しぶりに仲良く話してもらおうと思ったのにこれじゃ逆効果だ。


 仕方がない、話題を変えてしまおう。


「あ、あのさ。鯉沼さんが野球部の女子マネになったきっかけってなんなのさ?」


「……ウチの顧問、笹木先生も剣道経験者だから一緒に女子剣道部を立ち上げようと盛り上がったんだけど、部員志望があたし一人だけで学校に認められなくて」


「そんな時に私、野球部再始動で顧問を探してた田白くんたちにお願いされて。剣道部はとりあえず置いといて当面はこっちをやらせてもらいましょって、鯉沼さんも誘うたんです」


 後ろから埜邑工業野球部顧問の笹木先生がはんなりした口調で説明を補足してくれた。


「なんかいろいろ大変だったんですね」


「そんなことあらへんよ。今まで縁のなかった野球に関わるのも、これはこれで楽しませてもろてるから〜」


「夏の大会まではあたしも付き合う。それからまた女子剣道部を立ち上げ直すつもり」


 ふう、鯉沼さんも落ち着いて危機を脱した。


 それにしてもしょーたの奴、中学時代を語りたがらないと思ったら……。


 多岐川第三の木崎の件といい、あとで問い詰めてやる。


 そんなことを話している間にオレたちはバックネットのあたりまで来たのだが。


「あれ? グラウンドを通り過ぎちゃいますけど?」


「……ここがオレたちの練習場所です」


 バックネット裏に案内した時の埜邑工業側の人たちの衝撃的な表情をオレは忘れないだろう。


「ほ、本当にここだけで?」


「はい。ウチの高校はサッカー部が強くてそっちが優先なんで」


「……なんて言うたらいいのか、お気の毒に」


「まあでも何とかなるもんですよ。それじゃ練習始めるけど、できたらわだちくんのボールを見せてほしいなあ?」


「は、はあ……」


「もちろん今日はキャッチボールだけだよ。田白くんたちもそれでいいかい?」


「わかった。制服だから上着だけ脱いで軽くでいいなら」


「もちろん構わないよ」


 いよいよ期待のピッチャー轍くんのボールを受けられる。本当にいいピッチャーならキャッチボールだけでもボールの質が違うのがわかると思う。


 もうワクワクしてきたぜ……!

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