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部員2名から目指す甲子園〜人数足りないなら連合チームを組めばいいじゃない〜  作者: ウエス 端
連合チーム再結成編

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第84話 連合チームへの勧誘を開始する

「あのさあ。俺ら、アンタらみたいに高校野球をガチでやってねえんだわ。3人で楽しく部活動できればいいし、公式戦も高校野球の雰囲気味わって青春の思い出にできりゃあいいんだよ!」


「でもオレたちとなら甲子園を目指せますよ? 多岐川高校が抜けたとはいえ、春季県大会ベスト4の主力メンバーが何人もいるから夢じゃないんです」


「……だから余計にイヤなんだよ」


「え? 何がですか?」


「要するに俺らってただの人数合わせ、穴埋め要員ってことだろ? そんなの面白くねーだろうが!」


「いや、レギュラーは固定してるわけじゃないですから頑張れば」


「もういいよ! 今までの連合チームなら確実に試合に出られたのに今さらレギュラー争いなんて……それに受験勉強に専念するってもう決めたんだ!」


「ま、待ってください!」


 あーあ。まさか連合チームへの勧誘がものの見事に失敗するなんてなあ。


 相手はウチから近い距離にある升田高校野球部だ。


 県内にはオレたち以外にもう一つ、公立高校3チームで組んでいた連合チームがあったのだが……そのうちの1チームは新入生の入部で人数が揃い、夏は単独チームとして挑むので解散した。


 そこで残りの2チームに連絡を取り、今日はオレとしょーたと古池監督、それと松花高校の上中野監督とで顔合わせとして訪問したのだ。


 升田高校の監督が申し訳無さそうに頭を下げながら話しかけてくる。ちなみに古池監督よりは年上だと思うがまだ若い男性だ。


「せっかく来ていただいたのに、ウチの部員たちが失礼な態度を取ってすみませんでした」


「まあ別にいいけどさ。アンタから聞いてた話と全然違うじゃないか」


「それも重ねて申し訳ありません、上中野監督。実は連合チーム解散となって彼らの部活へのモチベーションが完全に切れてしまって」


「じゃあなんでウチらとの話に乗ったのさ?」


「皆さんと会って話せば彼らのやる気が戻るのではと、自分が独断で受けてしまい……このザマです」


「あの様子じゃどっちにしても今日は無理みたいだね。悪いけどアタシらはこれで失礼するよ」


「もし気が変わったらいつでも私に連絡をください」


「ありがとうございます古池監督。今日は本当にすみませんでした」



 今日は朝早くから移動してきたってのに、散々な目に遭ったぜ。


 それにしても、高校球児がみんな甲子園を目指しているとは限らないんだな。


 それがわからずにゴリ押しで勧誘してしまったのはオレも反省しないと。


 そんなことを古池監督のクルマの中で考えながらオレは持参したポテチを次々に口に運ぶ。


 なお、古池監督は学生時代から運転に慣れていて安定しており、中原先生の運転みたいなスリルを味あわなくていいのは助かっている。


「オージロウ! 最近ちょっと食いすぎじゃねーか? また身体がブヨブヨしてきてるぞ!」


「だって不安なんだから仕方がないだろ! もうゴールデンウィーク目前だってのに連合チームが始動できないなんて」


「なかなかスムーズに事が運ばなくて申し訳ない。こういう交渉事に慣れてなくて」


「……別に古池監督を責めてるわけじゃないです」


「わかった、ありがとう。で、次に向かう高校なんだが。部員はたった一人……そしてこのまま続けるか迷ってるらしい」


 うーん。連合チーム結成は人数的にはあと一人だけ入ればいいんだが……。


 それは決して簡単な目標ではないというのをオレたちは身にしみてわかってる。


 そういうわけで、残されたチャンスをモノにするべく気合いを入れ直そう。


 オレは食べかけのポテチの袋をバッグに仕舞って勧誘の仕方をあれこれと考え直すのであった。

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