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部員2名から目指す甲子園〜人数足りないなら連合チームを組めばいいじゃない〜  作者: ウエス 端
初めての練習試合編

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第53話 対外試合解禁

「ねえオージロウくん。今日もひーちゃん来てないの?」


「……申し訳ないです仲尾さん。いろいろ手続きとか準備で忙しいみたいで」


「んあぁ〜!? 今日も雛子さんが来ねえとかよぉ、やってられっか! お前が手続きとやらを代わりにやって彼女を来させりゃいいだろがっ!」


「そんな無茶言わんでくださいよ阿戸さん」


「まあ仕方がないとはいえ、彼女がいないと何か物足りないというか。華やかさがね〜」


「……オレが地味ですみません石元さん」


 月日が経つのはあっという間というか。


 1月2月と練習に明け暮れているうちに、いつの間にやらもうすぐ春が見えてくる3月に入った。


 冬場の対外試合禁止期間も開けたので、今日の合同練習は他校との練習試合を予定しているのだ。


 で、これまでは来るなと言っても付いてきた姉ちゃんだが……実は女子の硬式高校野球選手権を目指すことになったのだ。


 詳細は省くが、1月に◯オンモールで再会した幼馴染でリトル時代のチームメイト由香里さんと意気投合したのである。


 2人とも再会を切っ掛けに硬式野球への思いを抑えきれなくなったそうだ。


 といってもウチの高校はもちろん、由香里さんの高校も女子硬式野球部なんてない。


 由香里さんは今はソフトボール部だがそれを辞めて新たに立ち上げるらしい。


 姉ちゃんは『英会話部』の部長でもあるが、それをどうするか関係者と協議しつつ野球部も準備を進めている。


 そして今月中に女子野球の連盟への加盟手続きを済ませて4月から部員を募集し、恐らく単独出場は無理だろうからと連合チームの結成を目論んでいる様子。


 目標は夏の女子高校野球全国選手権への出場……そして決勝戦のみプレーできる甲子園を目指すとのこと。


 余談が長くなったが、つまり忙しすぎて少なくとも3月いっぱいは合同練習について来ない予定だ。


 まあ、オレも寂しくないといえば嘘になるが……これがあの2人で目指せる最後のチャンスだから何も言わないで応援したい。


「え〜っと。オージロウくんとしょーたくんも到着して、これで全員揃ったわけだが……」


 我らが連合チームの主体チームである多岐川高校の蒼田監督の声だ。


 グラウンドのあちらこちらで喋っていた選手と女子マネたちが一斉にそちらへと視線を向ける。


「今日の練習試合だが、冬場のトレーニングの成果を試すには絶好の相手だ。そういうわけで気を引き締めて臨んでほしい」


「相手はまだ来ないんですか?」


「たぶん昼過ぎには到着すると思うが……こちらは少し早いが昼食タイムにしよう。別府、クラブハウスの鍵を開けて食堂だけ開放しておいてくれ」


「わかりました。聞いての通りだから行こうかみんな!」


「はーい!」

「とりあえず腹ごしらえだな」

「11時だけどもう腹減ってきたし」


 練習試合は14時頃開始の予定なので集合時間はいつもより遅めだ。


 だけどまだまだ気温は低い時期なので屋内で食事できるのはありがたい。


 みんなそれぞれ持参した弁当と、女子マネたちがポッドに用意してくれた温かいお茶でまったりとした食事タイムを満喫する。


 そして話題は自然と今日の対戦相手についてとなった。


「別府さん。今日の相手とはよく練習試合やるんですか? 兄弟校ですよね」


「んー。以前は定期戦をやっていたんだが、ウチが連合チームに参加するようになってからは初めてかな」


「今回はどうして実現したんですか?」


「あちらがこの県内の強豪校と練習試合する予定を組んだのはいいが距離があるってことで、丁度お互いの中間にあるウチのグラウンドでさせてほしいって依頼が来たんだ。それで先にウチとも試合してくれと監督から頼んだというわけだ」


「……やっぱかなり強いんですよね。センバツ出場校の補欠校だし」


「進学重視になったウチと違ってあちらは『文武両道』の方針で進学コースとスポーツコースの両方あるから。設備も最新だし、場所も都市部の郊外で選手が集まりやすい」


「ウチは田舎だから誘惑が少ないってことで進学希望者には人気なんだけどねー」


「なるほど。石元さんはそれが理由でこっちなんですか?」


「いや、俺はこっちが家の近くだから。あちらだと隣の県で通学が面倒だし」


「おーい。相手校が……多岐川第三高校が到着したから、悪いが挨拶に出てくれないか?」


「はい、ただいま。みんなもすまないが」


「へーい」

「いよいよ来やがったかー」


 センバツ補欠校……確かに相手にとって不足なしだ。いったいどれほどの奴らなのか、会うのが楽しみ……!

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