表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
部員2名から目指す甲子園〜人数足りないなら連合チームを組めばいいじゃない〜  作者: ウエス 端
夏の地方予選・ベスト16

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

144/186

第144話 打たれない工夫

「ぬううっ! ワシがこの回でトドメを刺してやるから覚悟せい、オージロウ!」


 いや、まだ6回表で1−1の同点だからトドメ刺すっていうのはおかしいだろう……と今回も心の中でだけツッコんでおく。


 それはともかく一死一塁のピンチ……という程ではないが相手に勝ち越しのランナーがいる状況で橘商業の1番バッター谷下さんを左打席に迎えている。


 バットは前の打席と同じく拳ひとつ分短く持っており、構えもいつもよりややコンパクトだ。


 オレのストレートを確実に捉えることを重視しているわけだが、それでも引っ張って強烈な打球を放てるのは谷下さんのパワーが成せる技である。


 さて攻め方はどうしよう。


 前の打席では外角狙いと見せかけて内角をずっと待っていたので……今回は逆だろうか?


 そのあたりを探るべく、初球はここだ!


「うりゃああっ!」


「内角……膝上!」


 ズバンッ!!


「ボール!」


 うーん。もちろんわざとストライクゾーンを外したんだけど、簡単に見送ったなー。


 でも反応はあったから……だが演技かもしれない。


 ……よく考えたらこんなことで悩むなんてオレらしくない。


 相手がオレを打つために工夫してきてるのだから、オレだって打たれないように工夫すればいいのだ。


 セットポジションから右足を上げて、軸足の安定をいつもより気をつけて。


 そこから踏み出すのを、いつもよりもゆったりと……左腕のテイクバックが上がらないように我慢する。


 右足を力強く踏み込む瞬間に、コンパクトに一気に左腕を引き上げて、その勢いのまま投げ下ろす!


「うりゃあああっ!」


「ぬうううっ! 外角高め……速い!」


 ズバンッ!!


「ストライク!」


 よっしゃ! 振り遅れさせることに成功した!


 球速がいきなり変わったわけじゃなく、投げるまでの動きと腕を振るタイミングを変えてみた。


 あんまりやると本来のフォームを見失うけど。ここから続く橘商業の中心打者には集中してやってやる。


 次は一塁ランナーを目で牽制してから。


 一転してクイックモーションで投げ込む!


「うりゃああっ!」


「それでワシを惑わせておるつもりかあ! ぬうううっ!!」


 バコォーッ!


「ファウル! カウント1−2!」


 内角胸元に投げたストレートをバックネットにファウルされた……いや、させた。


 クイックだけどテイクバックをやや大きくして、投げ下ろす時に体重をより強く乗せたのだ。


 そしてランナーが盗塁するタイミングを取りにくくする。


 さて次はどうしようかな。


 谷下さんは自分の感覚よりも振り遅れや力負けが続いた。ならばここはとにかく力を込めて振るしかない。


 これでもらったあ!


「うりゃあああっ!!」


「真ん中高め……ナメおって! ぬうううっ!!」


 ズバンッ!!


「ストライク! バッターアウト!」


 今度こそ仕留めた! いつも通りのフォームで

、いつも通りにバックスピンをこれでもかとかけて。


 ボールゾーンにノビるストレートを振らせたのだ!


 これでツーアウト……だが、まだ終わってはいない。


「小僧……谷下を仕留めたくらいで頭に乗るなよ」


 ひええ……顔つきが怖い大根おおねさんを仕留めなければこの回は終わらないのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ