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部員2名から目指す甲子園〜人数足りないなら連合チームを組めばいいじゃない〜  作者: ウエス 端
夏の地方予選・ベスト16

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143/186

第143話 キーマン

 橘商業との試合は6回表まで進み、1−1で同点のまま膠着状態だ。


 マウンド上はますます熱気を帯びて投げるだけでも……いや投げなくても体力を消耗する。


 もういっそナイターでやってくれないかな……まあ無理なのはわかっててもそう呟きたくなるくらい暑い。


 というわけでこの回をさっさと終わらせるべく左腕を振り下ろす。


「うりゃあああっ!」


 ズバンッ!!


「ストライク、バッターアウト!」


 まずは一人目。あー暑い。


 次は9番バッターが右打席に立つ。前の打席ではやたらと食らいつかれたが……今度こそサクッと打ち取ってやる。


 と意気込んでいたらバッターの方から話しかけてきた。


「オージロウ! 俺がこのチームに戻ってきた以上は、お前の好きにはさせん……俺がこの試合のキーマンだ!」


 自分でキーマン名乗るか普通? あと戻ってきたとか言ったけど。


「春の大会では見かけなかったけど、お前こそナニモンだ?」


「俺は三出川さんでがわ。お前と同じ2年……春は足を骨折してたから出られんかったがのう。本来は俺が谷下さんの前を打つ役割だ!」


 今日は谷下さんが1番だが以前は4番……つまり本来は3番バッターを任されていたってわけか。


 それなら歯ごたえがありそうだ。というわけで初球を投げ込む!


「うりゃあっ!」


「内角高めだが甘い。どぅああ!」


 ズバンッ!


「ストライク!」


 まずは一つ。前の打席では9番だとどこか油断していたから粘られたに違いない。本当は3番バッターだとわかってりゃ油断はない。


 テンポ良く2球目行くぜ!


「うりゃあっ!」


「……」


 ズバンッ!


「……ボール!」


 そ、そんな! さっきとほぼ同じコースに投げたはずなのに!


 まあ球審も人間、機械のように毎回正確にとはいかないのはわかってるけどさ。


 それじゃあこっちはどうだ!


「ボール!」


 今度は真ん中低め……さっきまでストライクを取っていた場所とあんまり変わらないのに。


 なら、次は力押しだ!


「うりゃああっ!!」


「外角高め! どぅああ!」


 バコッ!


「ファウル!」


 くそっ。当てられたか。


 ならばもう少し厳しいところに……。


「ボール!」


 ストライクだと思ったのに……なんでいきなりこんなことに。


 というか、際どいところだと三出川はリアクションすらなく澄まし顔で平然と見送るんだよな。あまりに堂々としてるから球審の判断が微妙に変わってたりして……。


 谷下さんの前にランナー出したくないし、弱ったな。


 もういい、こうなりゃ三出川と根比べだ。ストライクゾーンにどんどん投げ込んでやる。



「ファウル!」


 ちくしょう! もう何球目だよ!


 三出川はファウルでずっと粘ってる。それもカットするような打ち方じゃなくてフルスイングだから、球審から咎められることもない。


 コイツが谷下さんの前を打つバッターだって意味がようやくわかってきた。粘ってピッチャーを疲弊させ、更に出塁までしてしまう。


 これが本来の『谷下さんを起点に連打する橘商業打線』の姿ってわけだ。


 だがオレは負けんぞ!


「うりゃあああっ!」


「うわあっ!」


「オージロウ! どこ投げてんだ!」


「し、しまった。ボールが浮いてしまった!」


 あろうことか、オレが投げたストレートは球審の頭の上を越していった。


「だから言っただろう。俺がキーマンだ! ってな」


 やられた……散々粘られてこの結果。一気に疲れが出てきた。


 そしてこんな状態で谷下さんと対戦することになるのだ。

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