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部員2名から目指す甲子園〜人数足りないなら連合チームを組めばいいじゃない〜  作者: ウエス 端
夏の予選前の練習試合編

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119/186

第119話 油断禁物

 夏の予選前最後の練習試合、対八ツ頭学園戦も既に4回表まで進んだ。


 スコアは1−0でウチがリードのまま変わってないのだが、この回は注意が必要だ。


 打順は1番で俊足巧打の瘤田こぶたから。当然だが3番の坂平まで回ってしまう。


 まずは前の2人を出塁させないようにしないと。


 とはいえ左打者の瘤田は左方向への流し打ちが得意。そして俊足で内野安打を量産するタイプ……1回表はそれで出塁された。


 というわけで、できればファーストゴロにでも仕留めたいのだが。それかポップフライにでも。


 それじゃあ今回はこのコースを徹底的に攻めようかな。


「うりゃああっ!」


 ズバンッ!


「ストライク!」


 オレの内角高めにノビるストレート、さっきみたいに強引な流し打ちにできるかな?


 そしてボテボテのゴロでも対応できるようにサードの近海ちかみには前進守備させている。


 この状況で瘤田はどうするのか……2球目も同じ箇所でツーストライクと追い込んだ。


 手が出ないと見える。それじゃ仕留めさせてもらうぜ!


「うりゃあああっ!」


「このっ!」


 ズバンッ!!


「ストライク! バッターアウト!」


 うっしゃ! まずは難敵を三振させた!


 瘤田は最後、大根切りとまではいかないがダウンスイングで打球を叩きつけようとしたみたいだが……オレのボールを点で捉えきれずに空振りに終わった。


 悔しそうに引き上げていく瘤田。逆にオレは夏の大会で再戦した時でも対処する自信を得ることができた。


 それじゃ2番の背尾もサクサク打ち取ろう……とオレたちは油断しすぎたと思う。


 コンッ! と絶妙にオレと近海の間にバントで転がしてきたのだ。


 結局ショートの大岡が前に出てきたが、捕球した時にはファーストベースを走り抜けていた。


 ちくしょう。油断があったとはいえ、オレのストレートの威力に負けずに完璧なバントしやがって……瘤田に比べると地味な選手だが、コイツも力量が高い選手だ。


 ランナー有りで迎えた3番坂平……前の打席と違って無駄口叩いてこないな。


 ただ眉間にしわを寄せて、オレにホームランを打たれた借りを返そうという気迫が感じ取れる。


 まだ得意コースも苦手もわからないけど、まずはあえて前の打席でピッチャー返しされたコース……内角低めを攻めてみる。


 オレは前よりも気合を入れて、コーナーギリギリを狙っていく!


「うりゃあああっ!」


「今回は点取りに行くわ! オラッ!」


 バシィッ!!


 ま、マジか! 思いっきり右方向へ引っ張られた!


 腕を折りたたんで身体の回転でもってかれたというか……ああいうコースを打つお手本みたいなスイング。


 しかし、強烈だけどファースト正面のゴロ。今日は中地さんだがあれなら問題なく……。


「あっ!!」


 嘘だろ……まさかのトンネル。


 打球はライト線沿いの外野に転がっていって、一気にファーストランナーにホームインされてしまった。


 中地さんはバツが悪そうな顔で謝ってきた。


「わ、悪い」


 正直なところ、トンネルした瞬間は頭に血が上りかけたが……エラーしたくてする人はいない。


 シュンとしている中地さんにオレは返答した。


「大丈夫っす! 中地さんのエラーくらい計算のうちです、ハッハッハ」


「それはちょっといいすぎだぞ!」


 おっと、言葉が過ぎたか。でもとりあえずチームの雰囲気が悪くならなかったから結果オーライということで。


 坂平は2塁へ進んだ。派手にガッツポーズでもされるかな……と思ったが渋い表情だ。


 打球自体は強烈だったが野手の正面ということで納得してないのかな。タイムリーという結果よりもオレとの勝負が微妙な結果というのに腹立てているようにも見える。


 まあそれはともかく、後続は断って何とか同点で抑えた。


 坂平についても、少なくとも内角低めが好きそうだという情報は得られたし。


 まあ裏の攻撃で点を取るだけさ。

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