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部員2名から目指す甲子園〜人数足りないなら連合チームを組めばいいじゃない〜  作者: ウエス 端
夏の予選前の練習試合編

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107/190

第107話 初回表裏の攻防

 カキーン!


「外角ストレート、捉えたです〜!」


 2番のひょ〜ろくくんが一二塁間にいい当たり……と言いたいところなのだが。


「ん! 予測どおりだ!」


 飛んだ先にセカンドの別府さんが待ち構えていた。


 というか、芯で捉えたはずなのにあまり強くないゴロはあっさりと捕球され、難なくファーストへ送球される。


 というわけでワンアウト。ひょ〜ろくくんが頭を掻きながらベンチに戻ってきた。


「すみません〜。指示通りに追い込まれる前にストレートを狙ったんですけど、ダメでした〜」


「いや、悪くなかったよ。芯で捉えてたし飛んだ場所が悪かっただけさ」


 慰めの言葉をかけたが、原因は残念ながらひょ〜ろくくんの非力さにある。明らかに右方向へ打たされたとはいえ、芯でも弱いゴロしか打てないとなると……どうしたものか。


 そんなやり取りをしていた間に3番の田白が粘ってカウント3−2。出塁のチャンス……!


 マウンドの石元さんにはフォークとスライダーがあるので、できれば追い込まれる前に積極的に打ちにいってほしいけど……こうなりゃ話は別だ。


 あとはストライクを取りに来たストレートを狙いつつボールになる変化球を見極められるか。


 注目の6球目は……右打者の外角へ逃げながら落ちるスライダー。


 パシッとキャッチャーミットに収まったが……僅かに低い。田白は際どいコースを見極めてバットを振らなかった。


 よっしゃ、これでフォアボールだ!


「ストライク、バッターアウト!」


「えっ!? い、今のボールでしょ?」


「いや、ストライクだったよ」


 田白は球審役の上中野監督に抗議したが判定は当然覆らず。


「なあしょーた。あれって」


「ああ。あの田村ってキャッチャー、1年生とは思えないフレーミングの上手さでストライクにしちまった」


 うーん、キャッチャー出身の上中野監督にストライクと見せるとは……素直にスゲーなと脱帽だよ。


 結局1回表はオレのホームランによる1点止まりとなった。


 さあマウンドへ行くか。練習試合とはいえ目標はもちろん無失点……いやできれば全部三振に仕留めたい。


 などと考えながら投球練習を終えて迎える1番打者は、し、白城さん?


「……さあ来いオージロウ」


 淡々と左打席に入った白城さん……旧連合チームでは常に4番だったのになぜだ?


 だけど多岐川側のベンチを見てその理由は分かった。


 ネクストバッターズサークルには別府さん。そして急いでプロテクターを外す田村の姿が見える。


 田村は3番か……つまりは強打者なのだろう。そして多岐川は強打者3人を上位に集めてきた。


 今回だけの打線なのか、夏の大会ではどうなるのかはわからないが……とにかく初回から気が休まらないことだけは確かだ。


 それにバットコントロールに優れた白城さんを1番に据えるのは理に適っている。どうやって打ち取ろうかな。


 まずは様子見で外角低め!


「ストライク!」


 全く手出しする素振りもなかった。狙い球じゃなかったのかな。


 しかし何考えてるか読みにくい白城さん。ゆえに2球目はこうだ!


「うりゃあっ!」


「高め……!」


「ボール!」


 ピクッとバットが動いたが釣られなかった。どうやら高めが狙いで間違いはなさそうだ。


 じゃあ、これでどうだ。内角高め!


「うりゃああっ!」


「……!」


 バコォッ! と鈍い音を立てて打球は低いライナー……というか途中でバウンドしてセカンドへ。


「楽勝です〜!」


 ひょ〜ろくくんが難なくさばいてワンアウト。守備ではホントに頼りになるぜ。


「……思ったほどホップしなかった」


 引き上げる白城さんのボヤキ声が聞こえてきた。やっぱりか……。


 白城さんの狙いは、おそらくこの前しょーたがやったみたいなストレートがノビてホップし始めるところに合わせていく打ち方だろう。


 思ったよりもオレに対する対策が考えられているんだな。何となく察した今回はわざと回転数を抑え気味にしたのだ。


「ん! さあきたまえオージロウくん!」


 次は別府さん。相変わらず顔面の圧……もとい威圧感が凄い。しかしオレも以前のようにはビビらないぜ!


「うりゃああっ!」


 ズバン!


「ストライク、バッターアウト!」


「ん! 以前にも増して素晴らしいボールだったぞ!」


 なんか威圧感とは裏腹に全球見送られた。というかじっくり球筋を見られたような。


 まあそれはともかく、遂に田村との対決。ワクワクしてきたよホント……!

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