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部員2名から目指す甲子園〜人数足りないなら連合チームを組めばいいじゃない〜  作者: ウエス 端
連合チーム再結成編

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第103話 しょーたと対決

「ところで……誰がオレのボールを受けてくれるんでしょうか?」


 フリーバッティングでしょーたと対決することになったのは構わないんだが……このままじゃキャッチャー不在で投げることになる。


 ただのバッティング練習としてなら、できなくはないけど……一応勝負としてやるなら、やっぱりキャッチャーミット目掛けて投げる方がコントロールしやすい。


 そしてオレの問いかけに反応した古池監督は周りを見渡してから一人の選手に確認を入れる。


「勝崎くんはどうなの? 受けられそう?」


「いや……すみません、今日はちょっと自信無いです」


「そうか。それじゃ、俺が受けようかな」


「ちょいと待った! アンタじゃ突き指になるのがオチだから、アタシがやるよ」


「ですが、こちらが言い出したことで上中野監督にご面倒をかけるわけには」


「いいから先輩教師の忠告は素直に聞きな。とにかく準備してくるから少し待ってくれるかい、オージロウくん?」


「はい。よろしくお願いします」


 上中野監督はソフトボールで現役時代はキャッチャーだったので、少なくとも古池監督よりは遠慮せずに投げられそうだ。


 東京オリンピックで見たソフトの投手たちはみんな速かったし、監督も速いボールに強いのだろう。


 そういえば◯野投手は剛速球で金属バットへし折ってたなあ。そこいらの野球マンガ顔負けの伝説……オレも何か残したいもんだぜ。


「待たせたね! 1球だけ先に投げてくれるかい?」


 考え事してる間に監督が戻ってきた。ちょっとサイズが合わない感じだがちゃんとマスクもプロテクターも身に着けてる。


「それじゃ行きます! うりゃあっ!」


 ズバンッ!


「うん、問題ない! さあ、しょーたくんとの勝負開始と行こうさね!」


 内角高め、オレのボールが最もノビるコースをキッチリ捕球してくれた。これなら安心して投げられる。


「オージロウ! おれはキャプテンとしてこの勝負に負けるわけにはいかない。だから絶対にヒットを打つ!」


「望むところだしょーた! でも勝つのはオレだがなあ!」


 いいねえこの掛け合い、運命の勝負みたいでさあ。しょーたとこんな風に勝負するなんて以前は考えられなかったけど、お互いにレベルアップしてきた成果がこうやって結実したのだ。


「しょーた、頑張って! オージロウさんには悪いけど今のしょーたならきっと打てるよ。あたしの勘はよく当たるの、知ってるでしょ!」


「しょーたぁ! 鯉沼さんにいいトコ見せてやれぇ!」


「生意気なオージロウをやっちまえ〜!」


 うわっ、完全アウェー状態じゃないか。悪役ムーブをやり過ぎてしまったか……。


 いやこの状況で相手をねじ伏せる方がカタルシスが大きくなるというものだ。というわけで全力で行く!


 3球全部、真ん中高めに強い回転をかけたノビるストレートをブチ込んでやる。打ち返せるもんならやってみやがれ。


「うりゃあああっ!!」


「……ほいっと」


 バコーンッ!


 芯を微妙に外した打球音!


 はいいけど、弱いライナーがオレの頭上を通過していく。このままじゃ……うりゃっ! とグローブを上に精一杯伸ばす。


「クソがっ、届かねえ!」


 無情にもライナーはグローブの先よりも数十センチ上を通過していった。オレにもっと背丈があれば……!


 打球はそのままセカンドベースも越えていき、センターの前にポトリと落ちたのであった。


「よっしゃあ! オージロウからヒットもぎ取ったぞ!」


「さすがは俺たちのキャプテンだあ! ずっとついていくぜー!」


「スゴイよしょーた! あたし信じてた!」


 なんなんだコイツら。まるで優勝でもしたみたいにはしゃいで……まあいいか。これでこの5校連合チームが強くまとまってくれれば。


 でも軽く合わせただけに見えるバッティングだったけど、偶然飛んだ場所が良かったのかそれとも……ここは確認しておかないと。


 古池監督も同じことを思ったのかしょーたに聞いてくれた。


「しょーたくん! 合わせただけに見えたけど狙っていったのかい?」


「イテテ……手の痺れがまだ……。見ての通り、芯は外したので狙って当てた訳ではないです」


「じゃあマグレみたいなもの?」


「うーん。っていうか、自然とバットが出たんです。オージロウのノビるボールをつい捕りにいこうとして」


「キャッチャーとしてってこと?」


「そうですね。ずっとアイツのキャッチャーやってたからかな、感覚がバッターになり切れてなかったです」


「まあ、感覚はなんでもいいじゃない、ヒットを打てたんだからさ。それじゃラーメンを……」


「それはお断りします!」


 なんと……だからタイミングはバッチリだったのか。さすがは我が相棒だぜ。


 それに身体の軸は全くブレずにしっかりと打ち返せていた。まぐれじゃない、しょーたの実力だ。


 これでオレの課題が浮き彫りになったな。ホップする高めのボールに上手く合わせられると外野まで運ばれてしまう。


 なんとか対策を考えないとな……。

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