第7章 傀儡 ♢Side:鏡美 雛子
———全てが、壊されていく。
私を縛り付けていたものも、私を苦しめていたものも。
弱さも、罪も、何もかも全部———彼が、壊してくれた。
何もできずに、ただただ涙を流しているだけの自分の目の前で。
「放課後ではあるが、人がいないというわけじゃない。お前のしてきた悪行は、今この学園にいるやつらに全部筒抜けだ」
彼の発想は、いつも常人のそれを上回る。
誰にも考えつかないような手で、例えどんな逆境だろうとも、最後には乗り越えていってしまう。
頼れるパートナーと力を合わせ、無限の可能性を手繰り寄せることによって。
......でもこれって、力があるからとか、才能があるからできるとか、きっとそういうのじゃない。
確かに、彼にはそれがあるけれど、それを発揮するのは、いつだって誰かのためだ。
強引で、ちょっとデリカシーの欠けるぶきっちょさんだけど......人のことを真っ直ぐに見れて、引っ張っていってくれる優しさがある。
———そんな彼の優しさに、私は何度も救われた。
初めて会ったあの日から、彼の背中が私の頭を離れなかった。
彼が笑いかけてくれる度に、ほわほわとした|何かに襲われ、彼が優しさを向けてくれる度に私の胸は高鳴る。
気づけば、頭の中では彼のことばかりを考えるようになっていって———
あぁ、そっか。そういうことか。
私は、そんな彼のことを———
「これで終わりだ、マインド。 .......分かったら、二度と鏡美の前に姿を現すなッ!!!!!!!!」
あぁ、もう———胸の中が幸せで一杯だ。
次回投稿は、6月8日 日曜日 12:00 と
6月5日 木曜日です。
よろしくお願いします。




