プロローグ Side:優しき少女
———私は傀儡になることを選んだ。
何も考えず、何も望まない。
言われた通りに従い、ただただ役割をこなすだけの生きた人形。
例えそれで、私自身が壊れてしまいそうになろうとも、心がすり潰されそうになろうとも。
人形でしかない私には、何か思う資格も、それを拒否する権利もない。
......だってそうでしょ?
考えれば考えるほど、辛くなってしまうのに。
望めば望むほどに、虚しくなってしまうのに。
そんな、叶うはずのない希望なんて持ったところで、この地獄が終わるなんてことはない。
だったら始めから、そんなものに縋る意味なんてない。
........でもこれは、全部仕方のないことなんだ。
だってこれは、私自身の弱さが招いた結果なのだから。
私は弱くて、アイツみたいな強さはない。
弱さは罪で、強さは絶対の正義だ。
だからアイツが正しくて、私が間違っているんだ。
どれだけ疑問を抱こうと、間違っているのはこの私。
私が疑問を抱くのは、正しさとかじゃなくてただの逃げ。
そうやって、やらない理由を探しているだけ。
だからこれは、私の罪であり、私への罰。
何も考えずに、ただただ正義による裁きを、受け入れなくてはいかないんだ。
———あぁ、それでも。
こんな薄汚い罪人である私にも、願う資格があるならば........
こんな私の叫びを聞いてくれる誰かがいるならば、どうか、聞いてほしい。
「............こんなの......もう嫌だよぉ............」
私は1人、誰にも届かぬ涙を流す。
この世にいるとも知れないヒーローへ、救いを求めて。




