第四話
毎度のことながら見てるお方ありがとうござます。
「いやぁ~~すまんすまん、俺が留守にしてる間そんなことがあったとは」
「本当だよ。お前もう少し教育ちゃんとしろ」
あれからルロイが十分ほどして帰ってきた。この惨状を口がポカンと開いていたが、事を軽く説明したら頭を抱えたのだ。今は開き直ったのか軽く謝る感じになっている。
「それにしもまさかエミリーの婚約者がフォルクっだったたとは。全然気づかなったよ。おめでとう」
「本当だよ。婚約祝いちゃんと送るね。楽しみにしててな」
「やめてください、本当にやめてください。死んでもあんなの嫌です」
同席しているエミリーが物凄く否定してる。よっぽど嫌なんだろうなぁ。めっちゃ首をふってら。
「いやいや、勇敢に挑む姿勢があっていい男性じゃないか、俺感動したよ。エミリーにピッタリ、ベストカップル!!」
サムズアップを勢いよく見せつけた。
「ふざなんなよオラ」
おお怖い怖い。せっかくの美人がガチで切れ始めたので、ここいらで商談の話に入っておこう。
「んで、依頼されたガラスペンの桐箱セットがこれなんだけど中身を確認してくれないか?」
ルロイの依頼は妹のリーヌが有名な学院に入学するとのことで入学祝いのためにプレゼントをしたいという内容。どうせなら名前の入っているものとか高いものがいいとか色々話し合った結果、桐箱入りのガラスペンに名前を入れるということになった。
「おお、箱にもペンにもちゃんと名前が入ってる。造形もとてもいいなこれ。ありがとう」
「気に入ってもらえてよかったよ。あとこれは俺からの入学祝いの贈り物、リーヌちゃんに渡しといて」
そう言って赤と白のチェック柄が可愛いネルメールという有名ブランドのハンカチを渡す。値段はハンカチとしては物凄く高めだが職人が手作りをしており、記事とデザインにこだわっている一級品。
「おいこれ、超高級ブランドだろ。いいのか?」
「いいんだよそれぐらい。それにハンカチだし」
「ありがとう、本当にいい友達だよお前は」
なんだろうな。同郷の奴に感謝されるとどこか照れくさいな。
「それにしもライルさんってお強いですよね。冒険者になればいいのに」
「あれ? 言ってなかったけ? 俺一応冒険者の資格持ってるよ。Bランクだけど」
依頼でダンジョンやエリアに行くことがある以上資格は大事だったりする。自らダンジョンに行くことで依頼料とかが浮くためだ。また基本的に一人で活動をするため蛮族とかに襲われた場合、危険なためある程度は鍛えてもいる。
「そうなんだよ。こいつ元々他のギルドに所属してたんだけど、ちゃんと昇格試験を受けろとか面倒ごととか言われるの嫌になったとかでやめたんだよ」
いやだってAランクになる必要なかったし、なんか依頼内容もきつくなってきたし。ぶっちゃけある程度までいけばよかったという感じだったから。
「え~~もったいない。というかBランクって高ランクじゃないですか。凄いですね」
「でも何かあった時のためにギルドに入ったほうがいいんじゃないのか? 何だったらうちでもいいぞ」
「悪いけどそれはちょっと。ここ以外のギルドの顧客とかいるし、どこかに入ったりすると色々不都合なこと置きそうだからな。安否確認用にダンジョンに入る際にお前に声かけるし」
やたらに所属すると偵察みたいな感じで怪しまれたり、別のギルドの顧客から見たらなんか思われそうだし。一応何かあった時のために声かけや手紙鳩で連絡はしているから問題ないとは思う。
「そうか……まあ無理にとは言わないが。これでも心配してるんだからな。まったく、女の一人や二人いればまた変わるんだろうが。いい加減にみつけたらどうなんだ」
「国中動き回る俺にそんなのいたら良くないって」
こいつその手の話になると結構長いんだよな。てか二人いるのはまずいだろ。俺は不貞な人間ではない。長くなりそうなのでそろそろ退出するか。
「じゃ俺そろそろ行くよ。また何買ったら連絡くれ」
「またそうやってごまかそうとする。ちなみにエミリーはどうだ? 中々の美人だし、受付嬢やってるからお前みたいな動き回ってるやつにもいいと思……」
「じゃあまたな。何かあったらまた連絡してくれ」
「おい、まだ話は終わってないんだが」
《Bランクで行商人。そして顔とかも悪くないですし戦闘の実力も相当。ギルドに引き入れたら私の地位向上もありえるわ。これは確かに狙い目かも》
エミリーさん、小声でちょっととんでもないこと言いましたね。本気にならないで。これ以上ここに居たら面倒なことになる、撤退撤退。
あれからギルドをそそくさと出て距離を取った。ルロイはまた頭を抱えてエミリーには食事を誘われたり色々聞かれたりされたが荷物を持って逃げた。
そして逃げ切れたと同時にお腹なる。あぁ……お腹すいたな。そういやお昼ご飯は時間なくてパン一個だったし…… よし、なんか食べよう。
早速店を探し始める。冒険者の町なので飲食できるところはたくさんあるはず。
さっそく発見。焼き鳥屋か、いいね!! お酒と一緒に楽しみたい、キープ。こっちは酒場、なんでもありそうだがなんか冒険者が多そうでうるさいかもしれんな、ガヤガヤしてるのは好きではないが一応キープしとくか。となりはチュンカ料理、餃子、チャーハン、ラーメン、ホイコーローとかがいいよな。キープだ!!
もう少し奥に進むとピザ屋や串焼き屋とかが多々あるがやはり酒場が多い。うるさいのは嫌いだからそれ以外にしよう。うん決めた、チュンカ料理屋さんに行こう。ああでも一応目の前にも店があるが確認しておくか。
何々? ってええ!? ナンじゃそれ!!ハーピーの唐揚げだと!?
店の名前が『ハーピーの唐揚げの店 ハーピースリーシスターズ』と記載してある。
頭の中でハーピーが揚げられたのを想像してみるか……いやいやありえないって。何考えてんだ俺。それにチュンラン料理に行くと決めただろ……でもなぁ……気になるなよな……いやでも唐揚げ気になるなぁ。大好物だし。でも餃子とか食べ‥‥
「お兄さん店の前でなにやってるの?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ唐揚げ!!」
はっ!! 俺はいったい何を言ってるんだ。
「お兄さん、もしかしてハーピーをそのまま唐揚げするとか思ってたりして」
当たりです。
動揺していて一瞬変になったが冷静になった。話しかけてきたのは10代後半ぐらいの年齢のハーピー。黄色が可愛らしく、明るい子って印象だ。
「言っとくけど私たちハーピー三姉妹が提供する唐揚げってことだよ。ほらここに書いてあるじゃん」
『ハーピー美人三姉妹が提供する唐揚げ専門店です。ご来店お待ちしておりまーーす!!』
あっほんとだ。ちゃんと読めよ俺。でもなぁ。こういう店ってどうなんだろうか。何というかちょっと怪しいというか。女の子が可愛いだけで味が美味しくないとかあるからなぁ。
「うちのお店の唐揚げは絶品だよ。ぜひ食べてほしいなぁ」
そんな可愛い顔で下から目線で言われたら、ちょっとドキッしたじゃないか。まあいいか、たまにはこういうのに足を踏み入れてもうんいいだろ。
「じゃあせっかくなので入りますね」
「はーい、一名様ご来店でーーす!!」
元気なのはいいけど、挑戦意欲が必要だなっと思いながら入店するのだった。




