第二話 ハム屋さんのソーセージとベーコンステーキ
なんか続きました。
「いらっしゃいませ、お一人様ですか?」
「あっそうです」
「では奥の席どうぞ~~」
店の中はまさに加工肉のオンパレード、所是ましと加工されたお肉がある。
「今日はどれにしようかしら?」
「でしたらこちらのホワイトソーセージはいかがでしょうか? 」
買い物の奥さんが悩んでいる。どうやら今日の夕飯のおかずにするようだ。主婦の方々、大変ご苦労さまです。
しかし他人ばかり気にしてられない。こちらも早く席に座ってメニューを見なければ。何々、ソーセージだけで6種類あるのか。中々迷いそう。
『当店はソーセージの本場、ジャマツイド地方で修業した職人が手掛ける本格ソーセージを味わるお店です。パンにもお酒にもお好きな食べ方でジャマツイドの良さを楽しんで下さい』
ジャマツイドかぁ。あそこは古くから加工肉の文化が根強い。
にしてもお好きな食べ方かぁ。とりあえず俺はビール、確実に。そのビールも2種類あるが。だがここで最初に選択するのはまずソーセージだ。
・白ソーセージ
ぷるんとした見た目のハーブの香りが特徴
・フロンクソーセージ
豚肉のみ使用したソーセージ
・チョリソー
唐辛子を練りこんだ辛いソーセージ(辛いのが苦手な方は気を付けてください)
・赤ソーセージ
豚の血液、脂身、皮を使用したソーセージ
・カリーソーセージ
カレー風味の香りと味が特徴
んーなほるど。赤ソーセージってのがちょっと気になるな。血を使うってどんな感じなんだ? なんか怖いな。とりあえずそれは店員さんに聞くとして‥‥
ソーセージの盛り合わせのページがないかメニューを見る。だがそれらしきものはない。こういう時はまず回りを確認。黒板が見えたのが確認できた。
あっあそこにあるじゃん。
・生ハムとチーズの盛り合わせ
・3種のソーセージの盛り合わせ
(白ソーセージ、フロンクソーセージ、チョリソー)
・サラダとソーセージのセット
・ベーコンステーキ
ベーコンステーキ!?
ステーキがあるじゃぁないか!!
念願のステーキがあるじゃぁないか!! あるじゃぁないか!!
どうやら俺は神に愛されているらしい。ステーキという文字があればもうなんでもいい。3種のソーセージの盛り合わせとベーコンステーキだな。後はビールだ。黒ビールと白ビールあるが確実に黒ビール一択。全ての準備は整っている。
注文をするために店員さんを呼んだ。奥から20代ぐらいの女性が対応してくれる。
「3種のソーセージ盛り合わせとベーコンステーキ。あと黒ビールをお願い致します」
「3種のソーセージ盛り合わせ、ベーコンステーキ、黒ビールですね。少々お待ちください」
完璧だな、完璧な注文だ。
「いらっしゃいませ~~」
「おおリズちゃん、黒ビールと白ビール、両方とも特大で。あとなんかてきとうにチーズとソーセージをくれ」
「はい、奥の右側の席空いてるのでそちらにどうぞ」
どうやら常連らしい70歳近くの男性が入ってきた。にしても赤ソーセージのこと聞くの忘れた。ベーコンステーキで忘れてた。料理が届いたら聞いてみよう。
「お待たせしました。こちら黒ビールと3種のソーセージ盛り合わせです。白ソーセージは皮を剥いて中身を食べてください。ベーコンステーキはもう少々お待ちくださいね」
ゴクゴクゴクゴクゴクゴク……プッヘェェェ!!
生きてる俺は生きてる!!
いやぁうんまいな黒ビール。普通のビールとは味が深く、濃い!! やっぱこっちにして正解!!
口の中は浄化した。ソーセージを受け入れよう。ますはフロンクソーセージだ。うん、いつ聞いてもかぶりついたときのソーセージの音っていいよなぁ。
かぶりつと、パリっと音がしたと同時に口の中に肉汁がでてくる。噛むたびに香りと肉汁、プリッとしたあらびき肉がほぐれる。そしてそれらをビールで流し込むのが幸せな時間。
お次はチョリソー。辛いのが苦手な方は気を付けてくださいと書いてあったな。どれ……ん? いうほど辛くないって辛いな!! すんげぇ辛い!! 後から辛さが猛追してきたぞこれ!? 唐辛子の辛さが後からゆっくりとでてきて、口の中が非常に凄いことになっている。早急にビールを口の中に入れる。するとどうだろ。ビールのうまみとソーセージのうまみがよく合う。中々のうまさだ。
最後は白ソーセージ。どうやらこれだけ茹でてあるっぽいな。他の二つと比べてぷっくりとして腸にパンパンに詰まっている。白ソーセージは皮を剥いて中身を食べるらしいがうわっ!! 中まで真っ白。肝心の味は……ほう、肉の味はしっかりしてるのに中身は優しくふわふわしてる。こんな感覚初めて。こんなに優しいソーセージは初めて。なんかいい。
しばらくソーセージを堪能してるとジュージュー音が聞こえてきた。どうやら来たようだ。
「おまたせしました。ベーコンステーキです」
なんだこの一枚岩のような大きさは!! 暑さ8cmはあるぞ。鉄板からは脂が跳ねており、更に目玉焼き付き。見事に半熟だ。
「いただきます」
うん、お肉はしっかり肉感がすごく塩加減も抜群。そしてこの食べ応えと肉肉しいのはステーキにも引けを取らない。今まで食べたベーコンの中で一番だなこれ。そして肉にかかっているマスタードソースが甘辛くこれまた美味しい。
半分程食べたので目玉焼きをベーコン乗せて黄身にナイフを入れる。トロトロの黄身がベーコンの上をあふれ出て鉄板に到達した。
この光景はいい!! 横から見たら一枚岩から流れる滝だ。火山から溢れ出るマグマだ。こんな光景をハム屋で見れるとは。
流れ出た黄身と一緒にベーコンを口に入れる。あぁ~~黄身がたまらねぇぜ。ベーコンの美味しさが更にに増していくよ。おっと、ソーセージを忘れるところだった、いかんいかん。ビールもいつの間にかなくなっていた。
「すいまん、ビールのお代わりお願いいたします」
「はい、少々お待ちください」
新しく追加されたビールが手元にわたると同時にフォークとナイフがソーセージ向かう。三種類あったソーセージは瞬く間になくなり、横10cm、厚さ8cmあるベーコンステーキもビールも最後一口となった。
最後はゆっくり味わおう。ベーコンを口に入れ最後の最後までかみしめる。そしてゆっくりと飲み込み、残った油とベーコンの旨味をビールで口の中を流す。多めに残したビールを最後の一滴まで飲み干しす。
「ごちそうさまでした」
ゆっくりと立ち上がり会計を済まして外に出る。
はぁ~~食った食った。さて宿に帰って……ってあ!!
赤ソーセージのこと聞くの忘れた。まあいいや。この町にくればまたここに来ればいいだけなんだから。
俺はまたこの店に行くとを決心したのだ。




