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スパイの男   作者: Suzura
7/43

国籍


翌日。


この日、休みを取った静は、ある人を訪れていた。

 

「頼まれていたもの、確認しておいた」

「ありがとう」


好々爺の雰囲気を纏ったその中老の男は、1枚の紙を差し出す。年齢に相応しくない若々しさをもつ男は、かつて東亜の国の官僚だった。名前は奕辰イーチェンという。


静とは、酒の席で仲良くなった。


「やはり……」

「朴琳という男は存在しない」


奕辰に頼んだもの、それは朴琳の国籍確認だった。


「バレたら俺が捕まるんだから」

「分かってる」

「そんな簡単に入国できるものなのかね」

「入国管理官に賄賂でも渡したかな」


鳳の国では、賄賂の授受を伴う不正入国が社会問題化している。


「摘発者だけであれだけの人数。おかしくはない」

「しかし……こいつは何故国籍の偽造を?」

「あ、確かに」

「不正入国だけなら、国籍の偽造までする必要ないだろう。賄賂を渡して入国管理官を買えば済む話なのに、わざわざ東亜から来たって言う必要がない」

「……」


静は、顎に手を当て、じっと考えた。



その夜。


静が朝明に戻ると、ちょうど同じタイミングで香が帰ってきていた。


「静さん」

「おかえりなさいませ、朴さま」


静は頭を下げる。


「静さん、ありがとうございました。いろいろと」

「いえ」

「お礼に、お酒でもご馳走させてください」

「……」


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