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スパイの男   作者: Suzura
6/43

優しい人

少し改稿しました


「宇春」

「お父さん」


深夜一点しんやいちじ

客たちが寝静まった頃、暗い部屋で宇春は帳面をつけていた。


静は電気をつけ、宇春の側に座った。


「宇春、まだ起きてたんだね」

「これ書いたら寝ようかなって」

「そうか」


こうして客たちが寝静まった後に、その日あったことの記録を帳面につけることが宇春の日課だった。


「ん?この月餅は」


静が手に取ったのは、香が買ってきた月餅だった。


「朴琳さまがね、お礼にって買ってきてくれたの」

「お礼?」

「優しい人よね」

「……」

「あ、お父さんも頂きなよ……お父さん?」

「いや。何でもないよ」

「明日の朝ご飯は、少しサービスしようかな~」

「料理長にまた怒られるよ」


お客様に対し、サービス精神が働きやすい宇春だが、いつも思い付きで急に動くので、よく関係者に怒られている。特に朝明の料理長、紅马ホンマーが振り回されがちだ。


「確かに……あの马 (ウマ)、怒ると怖いから」

「こら」

「でも、何かの形で恩返ししたいな」

「そうだね。……さ、書けたら寝なさい」

「はーい」


静は、そっと部屋を出る。


(朴琳……ね)


静は顎に手を当てる。



(朴という名字、出身国に合わない言語と目の色……)


朴琳は東亜の国から来たと言っていた、

東亜の国民とは限らない。しかし、朴琳が話す言語と目の色、出身地。全てがちぐはぐなのだ。 


静は自身の控室に戻ると、帳面を取り出した。


「やはり、合わない……」


朴という名字は凰の国の南にある華の国の人に多く、東亜の国の人でこの名字はあまり見かけない。加えて、朴琳さまの目の色は少し深棕色こげちゃいろだった。これは鳳の国や凰の国の人に多い目の色だった。他の国の人では、あまり見かけない。


東亜の国の公用語は、日语(にほんご)だ。


(考えられるとするなら……)










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