38/43
解放
短いです!
「こいつらは本当に何も知らないようですね」
集団の中の1人が呟いた。李美はじっと集団を見据える。
「そうだな。……もういい。解放しよう」
長い髪をなびかせ、1人の男が李美たちに詰め寄る。縄で縛られていた手足がようやく自由になった。
集団の男たちは、縄をほどくと、部屋を出ていった。
「皆、無事?」
呆然とした表情で固まる清掃員たちに、李美は言う。全員、目立った外傷はなく、李美は、ひとまず安堵の表情を浮かべた。
「あれは一体何だったんでしょうか」
清掃員の1人が言った。
「……ちょっと、外を見てくるわ」
李美は、気づけばその男たちの後を追うため、部屋を飛び出していた。
ご覧いただきありがとうございます!