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スパイの男   作者: Suzura
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上司たち 2

凰の幹部たちの話です。新キャラ、(ユイ)が出てきます。嫌な奴です。


ふらふらと雪は警務省の廊下を歩いていた。


「おう、雪」


聞きなれた声に反応し、顔を上げる。髪を整髪料で固めたその男は自信満々の笑みを浮かべていた。

名は(ユイ)という。3つ年上だが、雨の同期だ。誰よりも野心が強い。


「どうした? 暗い顔して」


嫌味満々な口調で雨が言う。


「……ちょっとな」

「ふーん。……香のことか? 」

「え」


(なんで知ってるんだ)


脱国事案が起きた時、連鎖してほかの官僚(スパイ)にも脱国が広がってしまっては困るため、脱国者の情報は直属の上司数名にしか知らせない仕組みになっている。そのため、本来、雨のように関係のない官僚は知らないはずなのだが。


雪はじとっと嫌な汗を感じる。


「大変だな。お前の立場があっても、処分されるんだからな。官僚長のポストは、絶望的だな」


かかかっと雨が高笑いをする。


「まさか、」

「さ、俺はこれからお前の上司と面談だ。行ってくるよ。お待たせしては失礼だからね」


にやりと雨が笑う。カツコツと靴の音を立て、官僚長室の方向へ消えていった。


「お前の立場……か」


雪はため息を吐くと、職務室に戻った。

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