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スパイの男   作者: Suzura
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ある夜のこと



「本当におめでとう」


白月や静と別れ、香と宇春は2人で朝明の裏手にいた。見渡す限りに夜空が広がっている。とても星が綺麗だった。


「ありがとう。皆のおかげだよ」

「これからは安心だね」

 

法律に反しなければ、これからは鳳国民と等しい生活が受けられる。宇春が優しく微笑んだ。


「朝明を離れてもいいからね。離れたくなったら」

「え?」

「鳳って国は、案外広くてさ。いろんな場所があるの。……香、キラキラしてたから」

「キラキラ……」


宇春がその場に座り込む。


「知らない場所、知らない景色、いっぱい見たほうがいいよ。見られるうちに」

「……」

「やめたくなったらいつでも言ってね」

「……俺は」

「ん?」


香は言葉に詰まる。


「さて、そろそろ戻ろっか」

「宇春」


歩き出した宇春が振り返る。


「これからも、よろしくお願いします」


宇春が静かに目を開いた後、優しく微笑んだ。


「ええっと」


言葉に迷いながら、香は頭を掻く。その様子を見て、宇春がまた微笑んだ。


「こちらこそ、よろしく」


月明りの下、2人は揃って笑い合った。


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