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夜の酒 2
夜も更けてきた頃だった。
「さあ、そろそろお開きにしよっか」
宇春が呟く。いくら朝明だとはいえ、明日もまだ早い。
二日酔いにならないか少し心配だ。
「静さん、大丈夫ですか?」
「らいじょ〜ぶ〜らあ〜」
かなり出来上がった静を香が支える。その横で、宇春が呆れ顔で座っていた。ガヤガヤとうるさい3人をよそに、白月は口の周りを手拭いで拭い、立ち上がる。
「月?」
宇春がたずねる。視線を右に左に逸らしながら、白月が言う。
「俺、ちょっと風にあたってきます」
そうして白月は、部屋を勢い良く出ていった。出ていった後も、宇春はその方向をじっと見つめていた。
香は少し複雑な感情を抱いたのだった。
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