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スパイの男   作者: Suzura
27/43

仕事 


翌日、朝早くから動き始める。


「あら、あなたが新入りの?」

 

香の顔を見るなり、その女性は言った。清掃員の部屋で咖啡(コーヒー)を飲んでいた。名は李美リーメイという。


「よろしくね」


李美は香に手を差し出すと、ニコリと笑った。


「美さん、リーちゃんをお願いしてもいいですか洗手间トイレに行きたくて」

「大丈夫よ」


宇春は頭を下げると、部屋を出ていった。


「……さて、まずは……」


李美は棚から围裙エプロンなどの服を取り出し、香に渡した。併設された更衣室で香はそれに着替える。


「あらいいわね」


大きさを確認し、李美は頷いた。


「よし、ついてきて」


李美の後に香はただついていった。


「この時間はお客様が客室に居ないの。だから、今のうちに客室の掃除をするのよ」


客室の区画では、既に数人の従業員が掃除をしていた。李美がパンパンと手を叩くと、従業員が一斉に廊下に顔を出す。


「皆、掃除中にごめんなさいね。今日からまた新しい子が入るから紹介したいの」


従業員が香の顔を見て、ざわざわとする。


(やばい……)


「あら、イケメンね〜!」


誰かの甲高いような、野太いような声が響く。香が声の方に目をやると、女装をした男のような風貌の男が目をキラキラさせていた。


「ちょっとワンちゃん」


李美がたしなめると、王と呼ばれたその人物は静まった。


「ごめんなさいね、李ちゃん。最近入ったばかりで」

「いえ」

「えー、気を取り直して。リーちゃんです。宇春ちゃんの彼氏さん。今日からここで花嫁修業を行うみたいだから、皆よろしくね」

「は、花嫁……?」

「そうよね?」

「ええ、まあ」

「宇春ちゃん曰く、厳しくしても大丈夫とのことなので皆さんよろしくお願いします」

「き、厳しく……」

「はい、皆、ありがとう」


従業員は、一斉に掃除に戻った。





ご覧頂きありがとうございます!!!

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