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謎の男 2
男は朝明の前に着くと、息を吐いた。
「それで、」
男の前方から近づいてくる声に目をやる。
「いらっしゃいませ」
男の前で老父は頭を下げる。男はじっとその顔を見つめた。男の後ろには、20代ぐらいの青年がいる。
青年と男の目が合った。青年は特に気にも留めていない。
「今日宿泊したいのですが……」
男は優しく微笑む。老父は中へと案内してくれた。
○●○
中に入ると、受付に若い女がいた。
よく見ると、顔立ちが老父に似ている。男は確信した。
「お部屋までご案内いたします」
女が部屋に案内してくれた。
部屋に入る。
一通りの説明を受け、女が退出する。
男はこの日、何も変わらぬ様子で宿泊し、翌日帰っていった。