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スパイの男   作者: Suzura
19/43

謎の男 1


「すみません」

「はいよ、いらっしゃい」


风蓝の街に飯店を開いて50年。20で旦那と結婚してからずっと老婆の毎日は変わらない。毎日のように行き交う客に飯を出してきた。


(おや、見ない顔だ)


この街は観光客が多い。常連といえば限られる。

顔立ちが鳳の国の人ではない。老婆は感じた。


(この顔立ちは、国外の人だ)


華の国でも、亜の国でもない。欧の人のようだが、少し違う。老婆はとある優しい目つきの顔を思い出した。


朝明に泊まると言っていた青年は、無事にたどり着けただろうか。


「すみません」


老婆はビクリと体を震わす。


「注文ですね」

「ええ。粥と麻婆豆腐を」

「はいよ」


顔を伏せたまま、その人物は言った。 


(ま、いいだろう)


「すみません、少し伺いたいのですが」

「はいよ」 

「この辺に朝明という旅館はありますか」

「朝明ですか。でしたら、ここから歩いて5分ですね。地図を出しましょうか」

「ありがとうございます。助かります」

「いいよお」

「朝明は有名な旅館なんですね」

「ええ。この辺の看板的な老舗の旅館なんですよ」

「泊まられる方多いんですか?」

「ついこの間もね、朝明に行きましたよ。確か1か月たたないくらいでしたね」

「なるほど……」


その人物は、粥と麻婆豆腐を食べ終わると、老婆に会釈を返し、店を出ていった。




ありがとうございます!!

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